遂に中国からGoogle(グーグル)が撤退するそうだ。
グーグルは世界ではトップシェア、日本ではYahoo!に次いで2位の検索エンジンサイト。
1996年にインターネット検索の研究プロジェクトとして開始。1998年に創業。2000年にYahoo!のサーチエンジンに組み込まれてから急成長を遂げ、同時に世界・多方面に進出していきました。
その極めて自由な社風が有名で、『(インターネットの)自由』をコーポレートアイデンティティーとして掲げているのではないかと思うくらい。ただ会社のセキュリティは非常に厳しく、特にオフィスの撮影はなかなか許可がもらえないと言われています(そのため、「タモリ倶楽部」で日本のグーグル社内が撮影できたのは極めて異例ともいえる)。
そのグーグル、中国でも2006年からサービス展開をしているのですが、中国国内では政府の検閲が厳しく、グーグルもその法令に従い自主検閲を行っていきました。
ところが、中国国内で行われた(そのバックボーンには中国政府が一枚噛んでいるといわれている)サイバー攻撃で、グーグルサイドは不信感を募らせ、一度撤退をちらつかせていました。
その後、アメリカ政府と中国政府も交えての交渉になったものの折り合いがつかず、遂に今日、中国(google.cn)での検索事業を打ち切り、検閲の受けない香港(google.com.hk)で事業を継続することになりました(そのため、括弧書き中国のグーグルのアドレスを打ち込むと、同じく括弧書きの香港のグーグルのそれに繋がる。なお、検索以外の事業は継続)。ところが、香港から検索をかけても、中国政府にとって快くない検索に関しては弾かれるということが起こっているので、予断は許さない状況です。
あらゆるものに規制をかけようとしている(言葉を悪く言えば、都合の悪いものは規制をかけようとする)中国では、ネットサービスそのものが成り立たないことが立証されてしまったと個人的に感じています。ただ、逆に見れば、中国のご機嫌を伺っていればやっていけることも露見しているなと感じています。
また中国市場の大きさも無視できないことから、グーグルが一部事業を残していることを考えると、グーグル自身も本気でないと思えますし、中国政府もグーグルを完全締め出しを行っていないことから、これまた本気でないというどっち付かずな対応をしているなとも見えるわけです。
恐らく、うやむやのうちに解決して・・・というふうになるのかもしれませんが、厳しい検閲を求めたり、(中国政府を刺激するような)極度の開放を求めれば、再び今回のような衝突が起こるのではないかなと思っています。
確かに中国では百度(バイドゥ)という検索サイトがあるものの、まだまだ未熟という話。中国国産の検索サイトを立派にさせたいなら、逆に抱き込んだ方がいいんじゃないかと口悪く言いたくなりますが、そのあたりはノーコメントで・・・。
ちなみに、このニュースの意味が全く分からない人が約1名いらっしゃるのは黙っておきましょう。己自身が似たようなことやってるからわかんないんでしょうけど。