2010年01月20日

どうなるJET STREAM?

先日から報道されているように、日本航空(以下JAL)とその関連会社(日本航空インターナショナル)が会社更生法の中に置かれることになりました。いわゆる法的整理(事前調整型)というものに置かれたわけです。
簡単に言うと、これからは企業再生支援機構仲介の下、国との間で経営再建を図っていくことになったわけです。事前調整になったのは、連鎖倒産などの今後の損出をできるだけ抑えるための措置とされています。

その中で、関連企業の売却などによる削減というのがありまして。当然この中にはスポンサー支援も含まれることでしょう。特に大口スポンサーになっているようなので、支援されているチームや球団によっては大打撃・・・という可能性もあります。
そして、JALを最も有名にした、かつ有力なスポンサード番組があります。・・・いやそういう表現でいうのは非常におこがましいので、『関連企業』としておいた方がいいでしょう。
そう、JALの有力な『関連企業』として、月曜~金曜の24:00より55分間全国放送されている番組「JET STREAM」があります。
まだTOKYO FMがFM東京と呼ばれる前、つまり社会実験として東海大学が放送していたFM局FM東海から放送されている番組で、1967年の放送開始から43年民放FM番組の中では最も長いものになっています。
様々な方が届けていますけど、中でも初代機長(番組におけるパーソナリティの位置付け。現在は5代目になる大沢たかおさん)だった城達也さんの、フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ(現在は溝口肇(はじめ)さん)の演奏する♪ミスター・ロンリーに乗せて話す以下のナレーションがあまりにも有名ではないでしょうか。

遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時、
遥か雲海の上を音もなく流れ去る気流は、限りない宇宙の営みを告げています。
満天の星を頂く果てしない光の海を、豊かに流れゆく風に心を開けば、
きらめく星座の物語も聞こえてくる夜の静寂(しじま)の何と饒舌(じょうぜつ)なことでしょうか。
光と影の境に消えていった遥かな地平線も、まぶたに浮かんで参ります。



番組の内容は、イージーリスニングを聞かせる大人向けの番組としても有名で、その中にJALのパッケージツアーの宣伝を噛ませていくという構成になっています。

放送が始まったきっかけは、終夜放送化に置ける対策と、ほぼ同じ時期に始まったオールナイトニッポン(25:00~29:00。2部制を経て現在は25:00~27:00)への対抗策もあったとされています。


長い間JALの一社提供番組として、またJALの看板番組として、そしてまだまだ海外旅行が夢のまた夢だった時代から外国への憧れを掻き立てる番組として、1959年から放送を開始していたテレビ番組「兼高かおる世界の旅(当時は同世界飛び歩き)」と同じくらいに大きな貢献を果たした、お金では測れない非常に多くの利益を与えた『関連企業』ではないかと思います。


そんな番組が、JALの経営再建の中で消えていくかもしれないのです。
一部報道によれば、2010年3月まではスポンサーの契約はあるものの、4月以降の状態はまだ不明というふうになっているらしいとのことだそうです。
かつて、同じようにスポンサーが付かないことで終わった番組として、映画のサントラなどを流すこの番組と似た感じの音楽番組「バックグラウンドミュージック」(TBSラジオ)があります。
できることなら、スポンサーがなくなりましたからこの番組もラストフライトになりました・・・のようなことがないよう祈りたいものです。
特に今の民放FMはアーティストによる音楽番組のみになったと言っても過言ではなく、イージーリスニングやクラシックを聞かせるような番組はほぼ皆無になったことも併せれば、FM史を語る上でも貴重な証言をしている番組、そして普遍的価値を持つ番組だと思うので、限りなく存続の方向に舵を切ってもらいたいものです。



Posted by alexey_calvanov at 23:53│Comments(4)TrackBack(0) etc 

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この記事へのコメント
1陸技さん>(表現上は『関連企業』とは書いていますけど)あくまでスポンサーが係わった番組の話なので、JALの運営がどうとかは正直わかりかねる部分もあります。

ただ、よく言われていたのは、ナショナルフラッグとしてのプライドが高すぎたために、放漫な部分が見え隠れしていたのではないかという点と、気の緩みが横行していたのではないか(特にその頂点は19982年の羽田の事故と1985年の御巣鷹山の事故、通称「日航ジャンボ機墜落事故」)と思います。
Posted by アレックス at 2010年01月22日 01:12
姫さん>そうですね。ANAに限らず、どこの航空会社でもいいので救済してくれるとありがたいんですけどねぇ・・・。

さすがに15分番組だと、曲の魅力がそがれかねないので、週1レベルになってでもいいので続けてほしいものと思いますね。

最悪ノンスポでもやれない番組ではないのですが、イージーリスニングを流すだけでよしと思うリスナーがどれだけいるかですよねぇ・・・。
Posted by アレックス at 2010年01月22日 01:07
JALは
自民党に
「歩く不良債権」を
押し付けられて
自滅したみたいですね。
兼子さんという元社長は
自民党の言いなりになる方であり
自民党国会議員
後援会memberの
子息子女を
嘗て大量採用された
と伺っています。
その子息子女は概ね
何も出来ない
所謂無機能人だったらしく
(証券analyst諸氏は)
JALの未来は真っ暗
だとかなり前から
予測してたようです。
僕自身
大学出てるのに
何も出来なくて
高校生でも
できそうな仕事やってる輩に
遭遇した経験ありますが
JALってそういう
箸にも棒にも引っかからない
劣化人を採用してのかなあ
Posted by 1陸技 at 2010年01月21日 22:28
是非とも
ANAに番組救済してもらいたいです

55分が15分になってしまうかもしれなくても
続けて欲しいです
Posted by 姫 at 2010年01月21日 03:11

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