先日麻生首相が予告していたとおり、衆議院が解散となりました。
以前も、当時の小泉政権が信を問うために行った郵政解散で書いていますが、あの時以来約4年。日に日に劣化というのかコピーした紙をコピーするのを繰り返したかのような政権が続いたような気がします。
で、今回も、前回の時と同じく、納得いかないことが多くて。
まず異例の予告をして解散。
なぜ解散に予告がいるのかが不明瞭。
もう解散したければ解散すればいいのに。天皇がいないから解散は先送りするみたいなことを言っている人もいたような。
まるで自信がないのか、相手の失点待ちの雰囲気が漂っているふうに感じてなりませんでした。
そして、麻生総裁(首相)を下したいと息巻いている人達は、なんだか煮え切らない対応を示していましたね。
特に、
・不信任決議案での対応
・懇談会での急先鋒だった中川議員の対応
この2つはゆゆしき事態でしょう。
造反をすることで、除名されるのが怖いんでしょうかねぇ?そんなに自民党の看板って偉大なんですか?それともバックホーンに付いている公明党を敵に回すのが怖かったんですかねぇ?はっきり言いましょう。特定の人物より多数の国民だと思いますよ。
どっちにしても、麻生総理を下ろそうと息巻いていた人達が、実は単なる見かけ倒しなんだなということが見え見えになっていたく残念です。それこそ自民党を飛び出したたった3名の議員には敬意を表したい気分です。
そして後者の対応ですが、「内部自浄で自民は変わります」と思ってたら、意外にトップが自浄できたのか反省粛々としてしまったので、これ以上攻めれば自分の立場も危ういと思ってか持ち上げて握手・・・というふうな茶番劇のように見えましたね。あんなベタな茶番劇を見たのは随分と久しいです。
今の自民には自浄能力がないのは、昨今の汚職事件・失言集のひどさを見れば明らか。もう正直解党的出直しをしないとダメな事態になっているのを今の議員はわかってないんです。今の組織をいかに維持するか、今の地盤をいかに確保するか・・・その部分だけでしか動いていない、人によっては政策が二の次三の次になっているのではと感じてしまいます。
だからこそ、今回の鳩山議員や平議員のような反麻生グループが徹底的に政権に揺さぶりをかけて潰すのが重要だったんですが、できなくなると燃えカスのようにくすぶってるだけ・・・。だったら新党や新組織を立ち上げてやれよと。
今のまま独自のマニフェストを立てたら、党内のものと違うという理由で選挙違反になりかねませんよ。
さて、政権交代をうたっているこの選挙。政権獲得を狙う民主党も、今でこそ一枚岩ですけど、取れなかった時のビッグバンがとても怖いなぁと思っています。かなり気を引き締めているとのことですが、楽勝ムードが漂っているようにも感じます。
で、民主党のアキレスけんは、言わずもがな政治献金問題。
小沢元代表・鳩山代表の献金疑惑はいまだ払拭されていません。
記者会見で釈明はしていますけど、どういう経緯で行ったとか、返金の有無はあったのかとか、小沢元代表に関しては、なぜ事実上の復職(代表代行に就任)させたのか、鳩山代表に関しては、責任を取って後継指名選挙を行うべきではなかったのかとかと国民の疑念はなかなか晴れていないのではと思います。
そして政権担当能力という面で自民・公明からやり玉に挙げられています。
確かに、今日の岡田議員のインタビューを見た限りでは、「マニフェストをよく読んで下さい」とかいかにもうっとうしそうな受け答えは明らかにいい印象を与えていませんでしたね。あの人が官房長官になったら、自民はしてやったりで大きくツッコミを入れられるんだろうなと。
その他未知数なことが多いので、その点では任せていいのと思う人も少なくないのでしょう。
選挙を取り巻く状況としては、やはり不況の打開が争点になるでしょう。
雇用問題(失業者支援などの社会福祉問題・新しい産業の掘り起こし・就業者の雇用維持・倒産および寸前の企業支援・派遣および請負社員の立場改善およびエージェント企業の監視強化をすべきか否か)に始まって、グローバル経済の状況の中、いかに日本経済をプラス成長に持っていくかに尽きるかなと。
その他内政では、郵政民営化の現状をそのまま進行させるべきか、もしくは一考を促させるべきか。その最たる例がかんぽ疑惑でしょうね。
また1000円での道路サービス・定額給付金などいわゆるばらまきサービスの是非、地方行政のさらなる自治権の付与もしくは拡大を促すべきか否か、国内の災害予防策の可能な限りの推進か一部に絞り込んで進めるか、刑罰の厳罰化を進めるかなど。
はたまた外交では北朝鮮問題や国際協調と絡んだ自衛隊派遣問題、そしてアジアとアメリカの関係のバランス配分。
この問題の背景には憲法改正の是非も絡んでくる部分があるので、ぜひともそのことを考慮に入れて考えてほしいものです。
最後に、毎度言っていますが、
①選挙公報は必ず目を通す。
家に住んでいれば、新聞を取っていなくても等しく配られる唯一誰もが知ることのできる情報源です。
②政見放送や遊説はなるべく見ておく。
特にリアルタイムでしゃべる遊説は政策を知る貴重な場です。ある意味パーソナリティ(個性)を知る場でもあります。
③新聞やテレビをよく見ておく。
マスゴミと揶揄されていますが、腐ってもマスコミです。政党の現状を知るには十分取るに足ります。
特に複数メディアを見れれば見てほしい。またその中に必ずNHKを絡めてほしい。NHKは新聞社の影響を受けない基本中立公正な公共放送をとるのが使命なため、いわゆる泡沫候補・政党でも政策を知る機会を得られるからです。
④投票には必ず行く。
行かない人間が言っても駄々をこねた子供の戯言レベルでしかないのです。
理想は候補者・支持政党を決めること。誰もいなければ白票でもいいのです。
なお投票に行っても、ふざけた1票であれば、先述の子供の戯言と変わらないですよ。
⑤絶対にダレない。
今回の選挙は長丁場になります。途中「また選挙の話?」になるかと思います。
絶対に過去の政策・言動、そして現在進行形の事象を覚えておいて下さい。
というのも、人の噂も七十五日というように、特に日本人はのど元過ぎれば熱さ忘れるという国民性を持っているからです。
絶対に政治を変えたいと思うのならば、必ず今まで何を政治家達がやってきたのかを反芻(はんすう)し、1票の意味を考えましょう。
ご清聴ありがとうございました。