2009年03月14日

カルデロン一家について思うこと

フィリピンから来ていたカルデロン一家について今週結論が出ました。
一家のうち、子供のみが日本に残り、両親はいわゆる強制帰還になるとのことです。


この問題の経緯は以下のとおり。


カルデロン一家は、父親と母親が他人名義の(つまり偽装)パスポートで日本に入国(父親は1993年、母親は1992年に入国)。その後日本で1995年に生まれたのが、今回問題の一つになった長女になるわけです。

その後10年以上日本に滞在し、2007年に母親が職務質問を受けた際に、パスポートの偽装がばれて逮捕最終的に一家の国外退去命令が出されることになりました。
その後、国を相手取り国内退去命令を取り消すように訴訟を起こすことになりますが、敗訴控訴審も敗訴、上告は棄却になり、一家の強制退去が決定となりました。

結審後は、入国管理局が特別滞在を許可しながら、改めて強制退去通告を出すというふうになっていました。
そして、最終的な結論として、3人の強制退去か長女を残して両親が帰国するという二者択一になったわけです。それに最後まで抵抗していた一家は、父親が収監される事態になり、結局後者の事案を受け入れて、両親が帰国するということになったそうです。
なお、長女は京都にいる親族によって育てられるそうです(親族が埼玉に引っ越してという形で)。


これに対して、様々な議論が起こり、国側は退去やむなし、マスコミや市民団体などでは、強制退去ではなく特別措置での残留を求める報道・要求が大勢を占めていました


ただ、今回の件に対しては、冷たいようですが、強制退去やむなしだと思います。

最もそう思うのが、彼らが不法滞在であるという点。
正規のパスポートで入国したのではなく、他人のパスポートでの入国ということであれば、まずその時点でアウトだと思います。これは日本だけでなくどの国でも基本的にはそうなはずです(ただ、長期に滞在した場合は判断が分かれますが)。
もう一つは、不法滞在・不法就労にあたる点
正規のパスポートがないのに働いていたということであれば、経済難民としての定義を取ることもできます。
彼らは、政治的迫害を受けた政治亡命者なわけでもなく、ただ働き口を求めて日本にやってきたわけです。
それならば、なおのこと正規のルートでの在留許可をもらうべきだと思います。それでなおかつ更新もせずオーバーステイをしていたというのは、バレなきゃ日本に留まりたいというふうに見えてなりません。
実際、正規の申請をして、日本で働いている人のことを思えば、非常に失礼な行動ですし、正規に働いている人達への心証も悪くさせかねない事態になりかねません


極論を言えば、この件で在留許可を認めてしまえば、日本のナショナリズムが加熱してもおかしくなかったと思います。それを抑えるという点でも正当な判断だと思います(それに対して反対のデモが起こるかどうかの『活気』が国民にあるかどうかは別にして)。
また、資格がないのに特別在留が認められていたら、確実に元々資格がある外国人労働者に対する目さえも大きく変わりかねません(一番大きな影響があるのは日系ブラジル人)。

今回の件は、正規のルートできちんとした資格申請をしている人と、そうでない不法滞在の人達とを明確に区別するために必要だと思います。


また、(不法滞在一家)出てけという人達に言いたいのは、きちんと認可を受けて滞在している外国人とそうでない外国人と一色単に扱わないでほしいということです。
特に、日本に溶け込もうと努力している外国人を排斥することは、日本自身のイメージを悪くしかねません


そして滞在を認めてほしいという人達に言いたいのは、今回の場合、法律に則っても不法滞在が確定的だったのに、子供が親と離れるからという理由で無理にでも認めさせようとするのはおかしいと思ってほしいのと、こういう事例にあなた方は同じようにするのかと思ったからです。

アフリカのサバンナで生まれたばかりのガゼルの子がライオンに狙われた。
その子供はまだ速く走ることもままならない。そのためあっという間に追いつかれもはやこれまでの状況。
そのシーンを見ていたあなたは、かわいそうだと思うだろう。でも、そこで助けたらどうなるだろう?
確かに子供は助かるだろうが、腹を空かせたライオンはおろか、もしかしたらその子供も飢えて死ぬかもしれない。ひいては地球の生態系もおかしくなるだろう

今回のケースもそれと一緒。
彼ら一家をのべつまくなしに救えば、日本は不法移住しても大丈夫な国家というレッテルを貼られ、日本事態が崩壊しうる可能性もあるのです。




Posted by alexey_calvanov at 23:14│Comments(0)TrackBack(0) とっくしゅ~で~す | 真面目なモノ

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