2009年03月10日

まるでお通夜のような薄ら寒い店内

ソフマップ ナディアパーク店が岐路に立たされています。


きっかけは名古屋市議会でのひとコマ
自民党のとある議員が、奥さんと一緒にナディアパークの子育て支援センターを訪ねた後、7階の同店舗を訪れたそうです。そこのパソコンコーナーを訪れた時に、いわゆるアダルトDVDなどの成人向け商品が並び、その映像が流れていたことに「目が点になった」と証言したからです
実際同様の経験をしたと他の議員も証言しており、そのことで同議員は、「市の整備し青少年向け施設の入った建物なのに、こういう映像が流れるのはいかがなものか」と住宅都市局長に迫ったそうです。
対する市の住宅都市局長も、この事実を把握していなかったようで、「施設の性格から行き過ぎた面があった」と認め、愛知県の青少年保護育成条例に違反した造りではないものの、市の住宅都市局はモニター撤去を申し入れ、今月内をメドにして同コーナーを撤収(販売の中止)するように働きかけたとのことです。


なぜここまで言われたのかというと、少し文中にも書いてはいますが、ナディアパークというのが『特殊な施設』であるということです。
ナディアパークは、元々定時制高校のあった敷地で、その定時制高校が移転した際、空いた敷地を名古屋市が民間に開発提案を募った上で現在のビルに建て替えたのですが、構成比率は、オフィスビル関係とLOFTを中心とした民間の商業施設、そして今回問題の際に挙がってきた青少年文化センター・国際デザインセンターなど名古屋市の関連施設が共に約1/3ずつ入居しているという性格があるからです。

要は名古屋市がベースを握っていて、しかも青少年関連施設のある建物の中に、アダルト関係の商材を置いているのはけしからんというわけです。


実際問題、仰ることはわかります。できる限り触れてはいけない人のところに触れるのはよくないことだと思います。その点で、ソフマップ側も隔離したり警告POPを展開したりしていたわけですし。もちろん大音量でアダルトDVDの映像を流していたことを行き過ぎだとも思うわけです


しかし、なぜ今なのかが解せないわけです
他の議員の証言を聞いている限り、以前からその事実を把握していたのではないかというふうにも読み取れます。テナントを受け入れる名古屋市側も少々お粗末なのではないのでしょうか?

私自身、オープンした1996年からこの店に通っているのでわかりますが、対象商品の一つになる18禁PCゲームやアダルトビデオなどを置き始めたのはオープンしてからそうしばらく経っていない時期(コンシューマー作品が一時期18禁作品を置いていたことを考えれば、オープン当初から言われていてもおかしくない)からでしたし、今のようなコーナー配置は少なからず2004年頃からだったかと思います
それなのに、子育て支援センターができた(注:恐らく2007年頃開設)ことでやっとわかったというのは少々おかしいんじゃないかと思います。なぜ今の今まで黙っていたのと言いたいです。

それに、きちんと隔離した施設にすること(幸いにもソフマッ ナディアパーク店は廊下によって3ヶ所のコーナーに『隔離』できる構造になっている)が可能なわけです。
2ヶ所ある入口を1ヵ所だけにして、さらにはそこをレジにして入店チェックのゲートにすることだって可能なわけです(店によっては手荷物を預けるロッカーまである)
店舗内も完全に見えないように覆いをすることだって可能ですし、画像がダメなのであれば、モニターは展開しないという約束事を市側と協議すれば済むだけの話だと思います。ネックになっているのは『青少年向けの施設が入っているから』だけのことだと思うのです。

それを逆手にとって、そういう施設があっても厳格に販売していれば、何の問題もないというモデルケースにすることだって可能だと思います。
アダルト商品を買う人全てが悪(有害)であるという考えの下でやっていくのではなく、いかに触れないように最大限の配慮をするかを販売者側が示せるかだと思うんです。問題の着地点はそこに至ると思います。


さて、その出来事が新聞に掲載されてから、初めて店を訪れたのですが、そこのコーナーだけがまるでお通夜店の中にはBGMは流れていたものの、どこか寂しく、店舗内のポスターの撤去作業に追われた店員が右往左往していました。
恐らく、市側の要求を呑むことになったんだと思います。コーナーの撤退まではわかりませんが、少なくとも派手なことはできなくなりそうです

このソフマップ ナディアパーク店、元々はヤマギワソフト時代から、このナディアパークばかりでなく栄地区の核となる店舗の一つだと思います。
特にゲームソフトやアニメ関連のCD・DVDを扱う店舗は、ここ以外では大須(最も近いところで、私の知っている限りヤマダ電機)まで足を伸ばさないとないというのが現状です。


今回の件で、間違いなくこの店は大きな岐路に立たされると思います。少なくとも売上が大きく落ちるでしょう(私が過去にゲーム販売店で働いていた経験上、少なくとも5%程は落ちると試算しています)。そうなると最悪の場合、店舗の撤退も視野に入るわけです
しかもこの店は名古屋地区のソフマップのキー店舗になっているところがあり、イベント関連はほとんどこの店舗内にあるイベントホールで行われています
もっと言えば、そこまで追い出しにかかっているのに、代替施設の提供もないこの追い出しがきっかけで、店舗そのものが立ち行かなくなった場合どう責任を取るのか、ひいてはテナント収入が取れなくなったことで影響がどう出るのかとか、またそこの空き店舗になった場合どうするのかといったことが明確にされていません


少なからず、妥協の余地があると思います。互いにやり方を変えれば済むだけのようにも感じますが・・・。



Posted by alexey_calvanov at 23:42│Comments(0)TrackBack(0) 真面目なモノ 

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