現在NTTドコモにのみ端末提供している三菱電機(以下三菱)が携帯電話事業からの撤退を表明したそうです。
三菱は、1983年から当時の自動車電話から四半世紀に渡って携帯電話端末を供給していた老舗メーカーの一つで、最盛期には前述のNTTドコモのほかにボーダフォン(現在のソフトバンクモバイル。J-PHONE時代より)、ツーカーにも供給するほどだったものの、近年は赤字になることが多く、FOMAの端末開発は富士通との共同で行われるようになりました。
なお、日本での業界シェアは10位、出荷台数は210万台、売り上げは1000億円ほどだったそうです。
また、他社への売却は行わず、恐らくD906iとナンバリングされるだろうと思われた開発中端末の開発もそのまま終了ということになり、在庫が完売次第終了(アフターサービス等は継続)になるとのことです。
今回の撤退で、今まで携帯電話事業に流れていた経営資源をカーナビなどの通信事業に集中させる方針を固めたということです。また、販売子会社のダイヤモンドテレコムの処遇がクローズアップされましたが、事業継続をする方針を発表しています。
今回の撤退の主な原因は、
・国内市場の飽和状態からこれ以上の赤字が垂れ流せれない状況にまで陥ったこと。
・海外は成長が見込まれるものの、ノキアやサムソン電子といった海外メーカーが安価で魅力のある端末を出しており、国際規格(主にGSM)への対応力の無さも仇となり、成長が見込めないため。
ということがあげられます。
三菱というと、老舗メーカーということもさることながら、オリジナリティあふれる端末を作り出していたことで有名でした。
初期の頃はフリップ端末(ストレートモデルに番号部分に蓋がついたもの)、ボーダフォンに供給していた時代には加速度センサーを搭載したV401Dが名機のひとつとして数えられました。
カメラ面でもスーパーハニカム構造を利用して早くから高画素数を実現していました。
最近ではスライドモデルを粘り強く続けたため、一スタイルが認められた今ではファンが付くほどの人気になり、それ以外にも、ダブルディスプレイのD880iDS、シンプルフォンのらくらくホンシンプル(D880SS)、音楽プレイヤーや音楽衛星放送モバHo!の音楽チャンネルが聴取できるMUSIC PORTER X(D851iWM)など他の会社とは一味違った端末を売り出していただけに非常に残念です。
恐らく、もうたくさん残っていない可能性があるので、もし機種変更を検討している方はお早めに。
なお、FOMAに関して言えば、富士通との共同開発になっているので、一部の操作部分以外は共通になるので、三菱なき後の次回以降の機種は富士通を利用されることをオススメします。