2007年12月26日

ちょっとしたクリスマスプレゼント? -夢の超特急、自己負担で実現へ-

JR東海は昨日、リニア新幹線建設事業を政府の予算から出されるのを待たずに自主財源で確保して取り掛かることを発表しました。
リニア新幹線にかかる費用(敷設費と車両購入費)は同社の見積もりで5.1兆円。コースに関しては東京(首都圏)~名古屋(中京圏)を直線状で結んだものになるということです。


今回の発表に至った理由として、現状の新幹線の輸送能力が限界に達していること、同時に速度面での革新も限界に達しており、これ以上改善する場合は周辺地域の環境問題(騒音問題低減のために270km/hに抑えている地域がある)になりかねないこと
もう一つは新幹線の設備面での老朽化
そして国の財源に頼っている場合、いつ整備計画が進行が始まるかわからない(始まるとなると地方の整備新幹線計画の後になる可能性が高い)ため、体力のあるうちに始めたかった等があるそうです。


しかしながら、自主財源で始めるということは、それだけの資金繰りのメドが経たないと始められないということにもなります。
現状予算の1/5の売り上げ、利益に至っては1600億ほどの企業がどこまでできるのかというのが不安でならないですし、状況によっては今までの乗車運賃や(新幹線の黒字で赤字をまかなってきた)地域路線の廃止にまで至る可能性があるわけです。

それから、今回の計画では、経費節減のため、今まで想定コースに入っていた諏訪湖周辺は見送られ、ほぼ直線になるとのこと(恐らくコースとしては、東京~甲府~飯田(長野・南信州)~中津川(岐阜・東濃)~名古屋になるのではと推測)。さらに、駅の建設は予算の枠内に入っていないため、恐らく地方公共団体の自己負担になる可能性が高いという点。また駅間隔も非常に離れたものになるということです。
正直土地の取得(特に都市部)でも大変だと思いますし、建設面でも都市部では地下に掘らざるを得ない形になり、非常に手間のかかる工事になるのではないのかと思います。

また、先述した予算面でも、現状新幹線の売り上げで補える、開通後も太平洋ベルト地帯の人口減少は大きくないと見て強気の試算繰りをしてますが、予想以上の人口減少が進んでいることと、コスト削減を求める一般市民の考え、景気の先行きから見て、その強気が5~10年先まで見通して訴えられているものなのかわかりかねるわけです。要は絵空事で見ていないかと思えてならないのです。
もしかすると、このような事業計画を上げて真剣さをアピールすることで、早いうちに予算枠での融資を得たいのではないのかと勘繰りたくもなってきます。


このリニア新幹線ができれば、東京~名古屋が40分ほどで結ばれるということで、新たな足になって儲かるというのは確かに考えられますが、あまりにも前途多難すぎることと、これができる地域とできない地域の地域格差をどう穴埋めしていくのか、いち民間企業でどこまで国のやってきたことがフォローできるのか(ただ、元々は国が運営してきた会社なので、そのノウハウが失われていないとは思っていないですが、あまりにも大きい事業なため)心配です。

しかしながら、JRサイドの言っていることもわからなくはないので、もし進められると確信があるのならば、一切国や利用者へツケを回さないという条件でやってもらいたいと思ってはいます。



Posted by alexey_calvanov at 23:48│Comments(0)TrackBack(0) 真面目なモノ 

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