ファミコン。正式名称はファミリーコンピュータ。
83年の発売から94年の11年間に1,200本以上。まさに日本のゲーム史にはなくてはならないゲーム機である。
そんなファミコンにはじめて触れたのは85年頃。スーパーマリオブラザーズが大ヒットした年である。
遊んだ場所は親父の仕事場(爆)。応接室のようなところ(といってもついたてで仕切った程度)で親父と働いている人と一緒に遊んだのがそのきっかけである。
カラフルな背景。シンプルながら飽きの来ないゲーム設計。そして遊びやすいコントローラー。全てがマリオから吸収できた。こんなゲームがあったんだと思った。
それ以来、家にファミコンが来てから、マリオ以外にもファミコンゲームにのめりこんだ。友人もファミコンが家にあったので、いろいろなゲームをよく遊んだ。
そんな中、ある2本のゲームには特に思い入れがある。
まずは「ソンソン」(カプコン)。
これには伏線がある。当時、私が好きだったゲームは「グラディウス」だった。友人の家で下手くそながらもハマっていた。当然欲しくなった。親にねだった。当時住んでいたところは、おもちゃ屋といえばスーパーのおもちゃコーナーだった。そこで「グラディウス」は売り切れだった。でも、『似たようなゲーム』で買い与えられたのがこれなのである。
・・・当然駄々をこねたが、受け入れた。ところが、実際遊んでみると、心地よいゲームバランスだった。マリオで慣らした腕が利いたのか、結構サクサクと進めた。友人の誰よりも上手かった。数ヵ月後にはクリアするほどの腕前になった(一時期は2週もできるほどだった)。
野菜やフルーツを一生懸命に取る姿と軽快なBGMは今でも心の中に焼きついて離れません。途中でワープしたり理不尽なところもあるけど。
PSの「カプコンジェネレーション」で移植されましたが、アーケードの移植らしく、テンポが若干速め。やれなくはないのですが、クリアも危うい(ファミコン版のそれはきちんとクリアだけはできる・・・と思う)。
もう一つは「ドラゴンクエスト」(エニックス(現スクウェア・エニックス))。
私がRPGというのを初めて知り、その後のゲーム人生に大きな影響を与えた作品だと思っています。後の続編も面白いのですが、これがあったから、今日のドラクエがあるのだと思っています。
ただ、このソフトのきっかけは、何となく選んだのがきっかけ。
親父の後輩(結構かわいがられたのを覚えている)が誕生日プレゼントにゲームソフトを1本あげると言ってくれた。そのとき2本のソフトが差し出された。
1本は「影の伝説」。当時友人の間でもよく遊んでいたゲームだった。私も大好きでよく遊んだものだ。もちろん欲しかった。
もう1本が、それ、「ドラゴンクエスト」、だった。未知のソフトだった。無論遊んだこともない。当時RPGが何のことなのかも知っているわけがない。でも、不思議な魅力を出していたのを今でも覚えている。
両方とも欲しいと思った。でも両方もらえるわけがなかった。
結局、泣きじゃくりながら、後者を選んだ。
・・・初めはわけがわからず、手探りの中進めていた。
でも、進めていくにつれ、その魅力に取り付かれていた。壮大で緩急のついたBGM。愛くるしいモンスターやキャラクター。そして作品の大きさとシナリオの良さ。セリフ回しの軽快さもハマった一因に挙げられる。
8本出ている今でも、また外伝的な作品を含めても、その色合いや味わいは変わっていない。それが保守的であると批判されても、このゲームだけはこれを守り続けてほしい。革新は新しいものを生み出すが、同時に残すべきものまでも失うのだから・・・。
こうしてマリオとドラクエを中心にして回っていくファミコンライフだったが、89年末のスーパーファミコン発売をきっかけに、すこしずつ距離が離れ始めていったことにまだ気づいて、いえ気づくよしもなかった。(つづく)
ファミコンの日にこれを捧ぐ