2012年10月03日

新規参入とは何だったのか

先日、ソフトバンク(ソフトバンクモバイル)がイーモバイル(イー・アクセス)を買収し、事実上の子会社化を発表しました。
この買収により、ソフトバンクは既に持っている2.1GHz帯の周波数帯だけでなく、イーモバイルの持っている1.7GHzの周波数帯も持ち、LTEでの繋がりにくさを改善させただけでなく、今年7月から始めたプラチナバンド(900MHz帯)にプラスしてイーモバイルが取得したプラチナバンド(700MHz帯。2015年施行予定)も使えるようになり、一気に周波数帯でも有利になる可能性が出てきました。また契約者数でも約3900万人となり、auの約3600万人を抜いて2位に躍り出るとしています。そのため、近いうちに4000万人の契約者数の大台を突破し、首位ドコモとは2000万人ほどの差に迫るとしています。

しかし、ソフトバンクにしてもイーモバイルにしても、大元をたどれば、総務省が国内の携帯電話市場の寡占化を打破するために厳しい審査の上で認められた新規参入業者。その新規参入業者が既存の業者のような形に戻そうとしている動きになっていることに対し、何かしらの皮肉を感じてなりません。それらを鑑みた私個人の感想は、表題の通りなわけです。


先述の通り、国内の携帯電話市場はドコモ・au・ボーダフォンの寡占状態になっていました(これ以外には、ツーカー・ウィルコム・アステルがあったものの、3つ合わせたシェアで10%いくかどうかの比率。後にツーカー・アステルは廃業)。しかし、その状況を打破するために総務省に圧力をかけていたのが他ならぬソフトバンク。その動きに同調するかのように、イーモバイルとアイピーモバイルなどいくつかの会社が名乗りを上げました。
2005年にイーモバイル・BBモバイル(ソフトバンクの関連子会社)・アイピーモバイルの3社が認定され、新規参入に向けて地ならしを開始しました。
ところが、BBモバイルは2006年に約2億円でボーダフォンを買収。その後ソフトバンクモバイルとして再出発し免許を返上アイピーモバイルは資金難で2007年に経営破綻し免許を返上しています。結局残ったイーモバイルだけがサービスを開始したものの、2011年4月からイー・アクセスの下で再出発という形になり、今回の結末に至ったわけです。

今回の件で総務省が与えた免許はわずか7年で意味が無くなり、元の鞘(3社による寡占状態)に戻ってしまったわけです。


ところで、ご存知の通り、ソフトバンクとイーモバイルの関係は、2007年の2.5GHz帯の取得時点から協力を始め、2009年からデータ通信でMVNO(仮想移動体通信事業者)関係を持って以来良好とも言えます。MVNOの件に関しては、随分昔のこの記事で触れていますが、既にある携帯電話会社をMVNOとして利用するという方式は通信会社としては失格ではないかと思っております。あまつさえ、「DNAが似ている」という理由だけで新規参入業者を食い物にし、自分の懐だけ大きくしようというのはどうもいけ好かないところがあります。
もうすぐ4000万人の契約者数を得るということで鼻息が荒いですが、純粋にソフトバンクとして獲得したのはどれだけなんでしょうボーダフォン・イーモバイルという『人のふんどし』で相撲を取り続けているソフトバンクは恥ずかしくないのでしょうか。それで3位は気に入らないとか2位になれると息巻いている孫社長は人としての価値を損している(損っている)のではないかと思えてなりません。

かつてau自身もツーカーとの経営統合やプリペイド水増しといった苦い過去がありますけれども、前者に関しては確か30万ほどが残っていたのではないかと。丸ごと横取りしようとも取れるソフトバンクの横暴さに比べればかすんでしまいそうなほどです。


ソフトバンクはウィルコム・イーモバイルを手に入れたことで、ますます純増に向けてひた走るでしょう。ただ、まだブランドは残しますと孫社長が言っている2社も、私の推測ですが、早ければ2・3年で統合に至ると思っていますさらなる効率化を計ることで儲けを増やしたいのと散漫したブランドイメージが足かせになると考えているはずです。


この件は独占禁止法とかそういったものではないものの、何か腑に落ちない、こういったことが認められていいのか、汗水たらして純増を計ってきたドコモやauの行動がまるでバカらしいというふうな見られ方をされるような今回の買収劇を私は決して快く見られません


ちなみに、イーモバイル(イー・アクセス)は、過去にソフトバンクテレコムの元会社である日本テレコムに買収されていた経緯(2004年に全株式を売却)があり、今回の買収で事実上の出戻りになりました。


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Posted by alexey_calvanov at 23:58│Comments(0)TrackBack(0) ケータイ系 | 真面目なモノ

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