2012年11月13日

造幣局、いかがっすかー

財務省造幣局。本拠は大阪にあり、ここで日本の硬貨が作られています
それ以外にも、毎年春に行われる造幣局の桜の通り抜けも有名で、桜の咲いた春、つまりは4月の風物詩としても知られています。


そんな造幣局が、初めて海外の一般通貨の製造権を獲得しました入札を行った国はバングラデシュ。そこで使われている通貨タカのうちの2タカ硬貨5億枚を造幣局が5.2億円で落札したのだそうな。

今回製造する2タカ硬貨はステンレス製で、彫りは浅めのものとのこと。ベンガル語とアラビア数字の書いてある方には同国の初代首相・大統領であるムジブル・ ラーマン氏の肖像画、「TWO TAKA」と書かれている方には、同国の国章であるスイレンの葉が描かれています。


そもそも日本の造幣局がこういった国際入札に乗り出したのかというと、貨幣の鋳造の減少にあるわけです。
現在日本の硬貨の製造は減少傾向にあり、最小通貨の1円・5円・50円は、2011年にはほとんど(セット硬貨の分のみしか)作られていませんでした
その理由は電子マネーの普及おサイフケータイ機能はもちろんのこと、Suica・nanaco・WAONなどに代表される電子マネーが本格的に普及したことにより、少額貨幣の利用が減少しているためです。今では預金通帳やクレジット機能からダイレクトに電子マネーカードに移行できるようになってきているので、もしかすると通貨そのものをお目にかかる機会が激減する事態にもなるかもしれないわけです。
そうなると、造幣局の職員は仕事が無くなってしまう。これはいけないということで、海外の通貨鋳造権を獲得しようと躍起になっているわけです。現にバングラデシュの公開入札の際には、イギリスやドイツといった電子マネーの普及している国も参戦しています(参加したのは日本も含めて6ヶ国)。


今回の入札で日本が落札できた理由は、安かったことと技術力の高さ
前者に関しては最低落札価格に沿ったものだと思いますが、後者に関してはご存知の方も多いでしょう。日本の貨幣鋳造の技術力は非常に高く、例えば500円硬貨の「0」部分に500円というホログラムが浮かびあがったり、周囲に斜めのギザギザを掘ったりするという高度な技術を駆使し偽造防止を行っています。


ちなみに、今回の入札では儲けはギリギリとのことらしい。なぜギリギリでもやるのかというと、恐らくですが売り込みを図っているのではないのかと。
これから、特に中東や東南アジア諸国で鋳造権を獲得する際、安くて高い技術をアピールするために今回の件を踏み台にしているのではないのかと思います。もちろん、外国の記念硬貨市場というのも見据えて動いている節もあります。また先述の通り、職員の食いぶち対策というのもあるのでしょう。


造幣局の一人一人がセールスマンになって売り込みを掛ければ、まだまだ生き残れるのではないのでしょうか。


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Posted by alexey_calvanov at 23:23│Comments(0)TrackBack(0) etc 

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