春の新アニメ2013、4回目は別冊少年ジャンプに連載されているマンガが原作の「惡の華」です。
この名前はボードレールが刊行した同名の詩集から取ったものです。退廃的・官能的ともいえるこの作品になぞらえて、今回の作品の主題である思春期特有のモラトリアム的なものが描かれていくのでしょう。
あらすじはこう(以下PCではイタリック体で表記)。
主人公春日高男は、群馬県の山沿いにある小さな町であるひかり市に住む少年。彼は文学作品好き、中でもボードレールの詩集「惡の華」に心酔している。
中学校では比較的中庸な平凡な少年ではあったが、彼はクラス一の優等生である佐伯奈々子に恋焦がれている少年でもある。
文学を愛し、文学を愛する自分に心酔する少年の安穏とした日々は、皮肉にも自身が特に心酔していたボードレールの詩集「惡の華」を教室へ取りに行くことで終わりを告げる。偶然落ちてしまった想い人の体操着を手に掛けてしまい、あまつさえその姿をクラス一の嫌われ者で劣等生と見られていた仲村佐和に見られてしまったことで・・・。
というふう。
今回のテレビアニメ化にあたり、通常は原作の絵に準じることが多い中、今回はロトスコープという実写(モデルの動き)をベースにしたアニメになっています。この手法は非常に贅沢なものとされていますが、デジタル技術の向上により一般的になってくるだろうと言われています。
なお、ロトスコープは元々ディズニーが手掛けたものと言われ、日本ではインディーズ作品で試験的に行われていました。今回の作品が日本で初めて商業アニメで行われ、かつ本格的に行われるものになるそうです。
という作品ではあるのですが、やはり少々違和感があるのは否めないですね。
今作を見た後に、公式サイト等で原作の絵柄を見たのですけど、あっさりしていながらもキャラがきれいに描かれている、丁寧そうな作品に感じられたんですね。けれども、ロトスコープにしたことで、丁寧さが失われて違和感だけが残ったというふうになってしまいましたね。
それでやるなら実写でやればいいじゃんというのも納得。特に顔なし状態から顔が浮かんでくる過程が人によっては少々気持ち悪いなと感じるのかも。
素材がいいのに、調理過程で台無しにした作品として後々語られてしまうのではないかと思うと、残念でなりません。
放送局の詳細は「続きを読む」にて。