2014年02月24日

演出家「プーチンよ、これがオリンピックだ」

ソチオリンピックは2/23(日本時間2/24)に閉幕しました。懸念されたテロなどの脅迫行為は起こらず、とりあえず大国としてのロシアの体面は保ったとも言えます。開催国だったロシアは金メダル獲得数・メダル獲得総数でもトップになり、改めて旧ソ連から続くスポーツ大国の片りんを見せていました。日本は当初目標としていた金5つには届かなかったものの、長野以外の外国開催でのメダル獲得総数(冬季オリンピックにおいて)では第2位を記録し、今後東京オリンピックに向けて大きくステップアップできるのではないかと期待できる結果になりました。


さて、閉会式の中で感動的なものが2つありましたね。まずは開会式で起こった四輪ハプニングを閉会式で『演出』したこと。
これは開会式のセレモニーの中で、5つの輪が一斉に開くはずだったのが、右上の輪が開かないというハプニングが起こりました。さらにまずいことに、このハプニングをロシア国内で見た人は、開会式を生で見ていた人かネットで公式映像を見たごく少数だけだったと見られていたからです。つまり、映像の差し替えを行っていたのです。そのハプニングの一幕を何と閉会式のセレモニーの中でやってしまったのです。
閉会式の総合演出をしていたのは、チーフプロデューサー兼脚本担当のコンスタンチン・エルンスト氏。実は、開会式の演出を行っていたのも彼で、まことしやかに言われていた「開会式の演出の失敗で殺された」はずの人だったのです。
そんなエルンスト氏は、閉会式開会前の記者会見の際、中国で製造されたと見られる四輪Tシャツを着て登場して報道陣の笑いと喝さいを受けていました。その際にも、「閉会式では、事前に撮った映像は使わないつもりです」とタンカを切っているのですから怖いもの知らずとも言えるわけですね。

意外に知られていませんが、ロシアという国は旧ソ連時代から言論の自由は無くてもアネクドート(小話)の自由はあるというくらい政治風刺の小話を挟み込むのが好きなところでもあります。それこそ最高指導者や社会主義体制を鋭く批評するその精神は、厳しい弾圧の中でも脈々と生きていたのです。ちなみに、ロシアでは人形劇でアネクドートを展開する番組が人気を博しています。
こういったハプニングを閉会式に挿入することで、ロシア国民に事実を公表すると同時に、これをひた隠しにしようと画策した政府への皮肉も込めているんですね。実によくできたアネクドートだと思います。


もう一つは、ミーシャの孫と称された白クマの涙。ミーシャとはモスクワオリンピックのマスコットだった小熊。モスクワオリンピック開催を記念して、「こぐまのミーシャ」という名前で日本でもアニメが放送されていました。
その白クマが流した一粒の涙が、おじいさんにあたるミーシャの涙と連想させて感動的でもありました。そして演奏されていた曲も、モスクワオリンピック閉会式で流れたものだそうで。実にいい曲でした。
ミーシャが流したあの時の涙は、東西冷戦に翻弄され、ほとんどの西側諸国がボイコットしたことに対して流した悲しみの涙でしたが、ソチで流した白クマの涙は友人になった87の国と地域の人達との別れを惜しむ涙となり、本当の意味でロシアは平和の祭典を開いたことの意義の大きさを示してくれたと思っています。


さて、次回は2016年に韓国・平昌(ピョンチャン)で開催されます。アジアでは札幌・長野に続く3度目で、アジアでは日本以外の国や地域で初めて行われる大会になります。次回大会でも日本選手の活躍を期待しながら、現地時間の3/7から開催されるソチパラリンピックを待つことにしましょう。


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Posted by alexey_calvanov at 23:51│Comments(0)TrackBack(0) スポーツ 

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