2016年08月27日

MRJ「恥ずかしながら帰って参りました」

事実上日本初の国産ジェット機として現在開発中のMRJ(Mitsubishi Regional Jet)。三菱航空機という三菱重工業の子会社として、このプロジェクトのために設立された会社が製造を手掛けている小型ジェット機ですが、今日(8/27)アメリカでのテスト飛行に向かうため、県営名古屋空港を飛び立ったわけです。
ところが、1時間後に再び県営名古屋空港に「出戻り」。一体何があったんだと思ったら、何と空調トラブル経由地だった新千歳空港に向かう途中に発覚したのだそうな。


これまで、開発段階でも様々なトラブルがあって、運行まで何回も延期を重ねているこの飛行機、既に海外の会社が製造依頼を出しているだけに、これ以上の延期は避けてほしいとは思うのよねぇ。現状このトラブルが更なる延期に繋がるものなのかわからないとはいえ、仮に延期に繋がれば、ライバル企業の飛行機に受注が移ってしまうのではないかと戦々恐々として見ております。

同時に『産みの苦しみ』に翻弄されているなと。
前述の通り、日本がジェット機の製造を手掛けるのは事実上初めてそれ以前はプロペラ機のYS-11を手掛けているだけなんですね。なので、飛行機製造という見方をすれば2台目になるのです。
どうしてこうなったのかというと、太平洋戦争前は数多くの軍用機(いわゆるゼロ戦など)を手掛けていたものの、戦後軍事力を削ぐために、GHQの命令で飛行機開発をできなくしてしまったわけなんですね。その後飛行機開発は再開できるようにはなったものの、技術者がほとんどいなくなり、飛行機のメインはジャンボジェットのような大型飛行機になってきて、開発レベルに差ができてしまったというわけ。もし、戦後も開発ができるようになっていれば、恐らくロッキードやボンバルディアに次ぐ巨大飛行機製造メーカーが日本から生まれていたかもしれません。


とにかく今は、安全に確実に開発を進めてほしいですわ。もちろんこれ以上の延期は避けるべきなんでしょうけど、人の命を預かるものに回り道は存在しないですから。


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Posted by alexey_calvanov at 23:04│Comments(0)TrackBack(0) etc 

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