2017年02月14日

霜降りやめます

牛肉の中で最も高級とされるのは、A5ランクの肉。そのA5ランクの肉というのは、いわゆる霜降り肉になることが多いです。そういうこともあり、霜降り肉=高級肉という印象が強く、ゲームでも、例えば「ドラゴンクエストモンスターズ」の中で、モンスターを最もなつかせやすい肉として「しもふりにく」が登場します


ところが、『行き過ぎた霜降り=高級』の路線を辞めるべきではないかという動きもあるようです。
東京・浅草にあるすき焼き店「ちんや」では、これまで行き過ぎた霜降り肉を提供していたことでお客が胃もたれをする事態が出てきたらしく、このことを無くすために霜降りの質を改善することに着手。その結果、かつて『霜降り』と言っていた全体の約30%の脂肪量(脂肪交雑基準(BMS)では12段階中6~7程度。いわゆるA4ランク)を持った肉を提供することにし、この肉を「ちんや」では「適サシ肉」(サシとは脂肪のこと)と呼ぶことにしました。この呼称は商標出願には掛けるものの、誰でも使えるようにするとのことだそうです。


しかし、どうして日本人はサシの入った肉に対して過剰にあこがれるようになったのでしょうか。
その流れを作ったきっかけは、1980年代後半に起こった牛肉・オレンジ自由化問題アメリカとの貿易摩擦によって、日本が農畜産物の輸入自由化を図る事態になった際、輸入牛肉に負けない品質をという声の下で、BMSが導入されました。それにより、脂肪の多い肉が生み出されるようになり、脂肪の付いた肉=ランクとなり、偶然にもそれが上がれば値段も上がっていったというふうになりました。

ところが、脂肪を付けるためにビタミンAを採らせない方法を採り始めたことで、異常な量の脂肪の付いた肉が高級肉として出回るようになり、7割以上も脂肪という肉が登場することもありました。このような肉が登場したため、赤身の部分の味は低下し、肉そのものの旨味も失われてしまったと「ちんや」の店主は述べています。


そんなこともあり、「適サシ肉」の重要性が高まってきたのです。
「適サシ肉」は生後30ヶ月以上の和牛(産地不問)の雌に限定し、先述の通り30%の脂肪量を持った肉にしています。その肉を焼いた際には、「和牛香」とよばれる赤身と脂身の間から発するよい香りが立ち上がるのだそうです。


恐らくなんですが、日本人がサシの入った肉がいいというのは、牛肉・オレンジ自由化の前からかもしれないですね。昔は捨てていた(食べるようになった時でも下衆な部分とされた)マグロのトロなんかも、戦後以降高級食材として珍重されるようになったわけですよ。その流れが肉に来た・・・と考えれば自然なのかなと。


赤身ばかりの肉も美味しさには欠けるけれども、サシが入り過ぎて真っ白けな肉も美味しくはないですわね。ラードを食わされるようなものですし(汗)。
ちなみに、外国人は過剰にサシの入った肉はお気に入りではないという話もよく聞きます。もしかしたら、「適サシ肉」はウケるかもしれませんね。


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Posted by alexey_calvanov at 23:59│Comments(0)TrackBack(0)飲み食い系 

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