2018年08月21日

フグの扱いが、こんなに違うとは・・・

刺身にしても鍋にしても唐揚げにしても美味しいフグ。猛毒を持つ魚だったため、江戸時代はご禁制明治時代になってもフグを食べることは禁止になっていました。しかし、伊藤博文が下関でフグを食べた際、その美味さに感動して山口県のみ解禁したという逸話があります。その後、全国で調理することが可能になっています。


そのフグ、温帯から熱帯に掛けて住んでいる魚なので、消費はもっぱら西日本、中でも関西は一大消費地として知られていますフグ食を解禁した山口県と隣になる九州地方も消費量が多いとされていました。ところが、温暖化に伴って生息域が北上現在では北海道でも獲れる魚になってしまい、北日本で大量に消費されるようになりました
そうなると、フグを調理する人が北日本でも必要になってくるわけですが、全国で調理できるようになったとはいえ、実のところ調理の資格というのは各都道府県で出すものになっているのです。

フグの調理をするためには、いわゆるフグの調理免許を持った人のみとされています。しかしながら、その調理の資格というのが各都道府県で出していることから基準がバラバラで、中でも試験を経たうえで資格を出しているのは30の都府県なのに対し、残りは講習を受けるだけでパスできるというふうなのです。なお、講習のみというのは北日本がほとんどで、フグが獲れなかったことに起因しています。ゆえに、温暖化で獲れるようになった今、講習だけで資格を取った人がフグを捌くという事態も想定されるわけです(もちろん、今でもそうなのだ)。


そこで、フグを扱う団体が、それまで各都道府県でバラバラだった調理免許を国が一括して面倒を見る形にしてほしいという決議を出しました。至極当然の流れですよね・・・。
しかも、これまで出会うことのなかったフグ同士が出会って子を残せば、その子が新種となって、毒の場所も強さも変化しかねません下手をすれば、全身猛毒で食べられない種も誕生するかもしれないのです。だからこそ、調理免許をきちんとした制度化にした方がいいわけですよ。


美味しいフグ、そして長年築き上げた毒を避ける技術を後世まで残したい。だからこそ、厳しい基準を国が制定してくれることは、大げさな言い方をすれば、日本の食文化を守るために必要なのかもしれません。


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Posted by alexey_calvanov at 23:33│Comments(0) 飲み食い系 

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