夏の新アニメ2019、10回目は「小説家になろう」で展開されたウェブ小説が原作で、後にオーバーラップのオーバーラップ文庫で刊行されている「ありふれた職業で世界最強」です。
こちらも、なろう系の作品。異世界転生した主人公を軸にする本当に『ありふれた』世界観ですが、これを打破できるのかが注目点でしょう。
あらすじはこう(以下PCではイタリック体で表記)。
主人公は、いわゆるオタクな高校生。クラスではマドンナに親身にされていたことから、様々ないじめに遭っていた。
そんな中、クラス全員が異世界に転移してしまう。そこで主人公は錬成師という冒険者の中でも役に立たない職業になってしまい、クラス中から足手まといのような扱いをされる。さらに、クラスメイトの不注意で凶暴なモンスターを呼び出してしまう。それでもクラスメイトを救おうと必死になっていた主人公は、クラスメイトの1人からの裏切りにも遭い、奈落の底に落とされてしまう。
そこで凶暴なモンスターに襲われ、左腕を失い、絶望の淵に落ちてしまったが、元の世界への帰還を生きる糧にして、様々なステータスを身に付けるようになっていく。
というふう。
第1話は主人公の壮絶な運命だけがことさら強調されていましたわ。モンスターの肉を食らって死にそうになりながらも、遂にスキルを身に付けていくという流れなんですけど、これを『ありふれた』というのは少々強引なんじゃないかと思うのよね。『ありふれた』というのはあくまで職業なのに、スキルを身に付けたことを強調するのは、『ありふれた』わけではなく、『過酷な状況』なわけですよね。ちょっと表現の仕方が卑怯だなと。
総じて重いのは仕方ない。しかし、表現の仕方が卑怯で支持できない。『過酷な状況』でスキルを身に付けたのに、『ありふれた職業』でスキルを磨いたわけではないからです。職業は『過酷な状況』で磨かれたスキルを生かすだけの方法でしかないのです。
あとは、なぜ異世界に飛ばされたのかがさらりとしていて、流し見してしまうと何が何だかわからないのも困りもの。実はオープニングでその模様を流しているのですが、あれは流し見してしまうぞ・・・。
第1話は、今後の視聴のために重要なのに、それを放棄しているかのような作り。かつ作品の内容がタイトルと違うという、言葉は悪いですが詐欺のような作り。今後の展開がよかったとしても、第1話の作りを見てしまった後だと、それも霞むよろしくないものですね・・・。
放送局・放送時間の詳細は、「続きを読む」にて。