2020年06月11日

人間も冬眠できるようになるかもしれない

冬眠、それは哺乳類の一部と鳥類の一部が行うもので、名前の通り、冬の間は眠っていたり、活動を著しく低下させる行動を指します。冬になると冬眠するのは、餌が少なくなるということが挙げられ、その季節をやり過ごすために代謝を減らす行動を採ります。つまり生き残る術として行っているのです。
この冬眠のメカニズムは詳しくわかっておらず、冬眠できる種とできない種に分かれる理由がわかっていないようなのです。というのも、冬眠しない種が冬眠を行おうとすれば、低体温症などの組織障害が起こってしまうからなのです。


ところが、筑波大学の研究グループが、冬眠しない種のマウスでも人工的に冬眠することができるようにしたと発表しました。研究グループは、マウスの脳の視床下部にある特殊な神経細胞の集まり(体温や代謝をコントロールしている部位)を見付け出し、そこにある特定の化学物質を注入して刺激すると、体温と酸素の消費量が大きく下がった一方で、代謝は適切に制御されている状態を作り出すことができたのです。つまり、人工的ながらも冬眠を行う状況になったわけです。
この研究を応用すれば、人間でも人工的な冬眠、いわゆるコールドスリープを行えるようになります。実は、人間は冬眠は行えない種なのですが、不慮の事態で冬眠(のようなこと)を行った例はあり、今回そのメカニズムが解明されれば、人間も人工的ながらも冬眠ができるようになり、例えば太陽系を飛び出して、未知の空間や生命の住める星を探す際といった宇宙探索に大いに貢献することになるでしょう。また不治の病に罹っても、将来治療法が確立されるその日まで人工的に冬眠させて、生命を維持できるようにもなります。


夢のある技術ではありますけど、いいことばかり起こるとは限りません。物事の良し悪しを踏まえたうえで、今回の技術を生かせればと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 22:25│Comments(0) etc 

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