2011年11月11日

珍しい巨人のお家騒動はゴダゴダしそうなものに

今日は巨人にとっては衝撃的な1日になったのではないかと思います。
突然、巨人のNO.2になる清武英利球団代表が、「渡邊恒雄(ナベツネ)取締役にコーチ人事で不当介入された」と訴え出たのです。

要約すると、10/20時点で巨人のコーチ陣の留任人事を決めていた(意思確認も行い、契約書着手もしていた)のにもかかわらず、突然代表権のない取締役(要はヒラ社員並みと推測される)のナベツネの『鶴の一声』でいじられたというのです。ナベツネの腹積もりでは、岡崎郁(かおる)1軍総合コーチを降格させ、解説者の江川卓さんを同コーチに迎え入れるつもりだったらしい(江川さんはコーチ受諾には否定的)


今回の不当介入を、清武代表はコンプライアンス違反だと訴え、「ナベツネの球団・プロ野球私物化許すまじ」・「同じ思いは桃井オーナーも持っているはずだ」と思いの丈を涙ながらにぶちまけていました。

ところが、その桃井オーナーはというと、全くもってそれらを否定
コーチ陣は当初は残留で動いていたものの、クライマックスシリーズ第1戦の負け(表現上は惨敗)を受け、人事の見直しをナベツネと相談したとのこと。(残留が)ひっくり返ることは仕方のないことだとも語っていました。また、今回の清武代表の行動こそコンプライアンス違反に繋がり、清武代表をかばいきれないとまで言い切っています。


まぁ、この一連のお家騒動、巨人では珍しい部類ですけど、正直わりとどうでもいい話なんですよ(苦笑)。でも、なぜこうもおかしなことになってるのかというと、ナベツネの存在が問題なんですね。

まず巨人では代表権のない取締役なのにもかかわらず、オーナー会社でもある読売新聞では取締役兼主筆という位の高いところにいるねじれ現象が起こっているからです。だから、関連会社の読売巨人軍でも、親会社で『お偉いさん』でいる限りは、どこ行っても何でもまかり通ると思っているのでしょう。どこかの国の首相のように、悪いことを言おうものなら、自らのメディアの力でネガティブキャンペーンを繰り広げられるわけですから、そりゃ何でもできるし、逆に言えばどんな些細なことでも怖いわけで。それで政治も振り回しましたからね。


結局、味方だと思っていた桃井オーナーにもはしごを外された格好になってしまい、清武代表は大ピンチになってしまいました。このまま清武代表だけクビになっておしまい・・・というふうになるんでしょうね。ナンマンダブナンマンダブ(汗)。


最後にナベツネには、マッカーサーのあの名言をもじっていったやろうかと。
「老害は死なず、ただ消え去るのみ」と。


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Posted by alexey_calvanov at 22:28Comments(0)TrackBack(0)

2011年10月19日

重荷になるか、それとも大きな宣伝材料になるか

長い間横浜ベイスターズに漂っていた身売り問題が解決に向けて動き出したようです。


横浜を所有している東京放送ホールディングス(TBS)が、モバゲー(Mobage)を有するソーシャルゲーム最大手のDeNA(ディー・エヌ・エー)に売却することを明らかにしました。既に大筋で合意されているため、今後詰めの協議でどうなるかが気になるところです。

TBSはご存知の通り、TBSテレビ・TBSラジオ(TBSラジオ&コミュニケーションズ)などを有する放送事業を核にしたグループ会社で、2002年以降、大洋漁業(現在のマルハニチロ)に変わり横浜の筆頭株主になっています
TBSが買収した理由は地デジに向けて放送コンテンツの充実を図りたかったというもの。地デジコンテンツの充実が言われる前から、フジテレビはニッポン放送と共にヤクルトの放送権を持っており、かつては横浜にも放送権を有していました(後に放送法に触れる可能性が出てきたため、TBSがメインになっている経緯がある)。余談ですが、一部のラジオ局でヤクルト戦が放送できない事態がありますけれども、これはニッポン放送のネットワークであるNRN(全国ラジオネットワーク)に加盟していないと放送できないためとされています。

しかしながら、横浜の成績はTBSの想定した成績とは全く逆の方向に。
2007年以降最下位が4年も続くという超低迷期に差し掛かっただけでなく、TBS自身の問題、「総力報道!THE NEWS」の大失敗以降、視聴率の低迷や広告収入の減少、そして地デジ機器への更新費用の増大で、TBSが横浜に払っていた赤字補てんの20億円が払えなくなるくらいに運営を窮していました。本来の目的だった地デジに向けてのコンテンツの充実が、その肝心の地デジ投資で失うハメになるのは、何とも皮肉なようにも感じます。

ともあれ、経営をこれ以上圧迫したくないTBSは買い取り先を探しに2010年から東奔西走した中で、住生活グループへ買収を持ちかけます。ところが、大詰めで決裂(新潟移転・首脳陣の刷新を主張した住生活グループに対して横浜のホーム・首脳陣の維持を主張したTBS・横浜球団・神奈川県が首を縦に振らなかったからとされています)したため、また1からやり直すことになってしまいました。
そして今年、かねてから噂のあったDeNAへの売却がほぼ決まったというところにまで来ました。仮に売却が決まった後でも、TBSの所有する球団株は一部残しておくとのことだそうです。


ところが、まだ完全に決まったわけではありません。
先述の通り、詰めの協議次第で住生活グループの二の舞になりかねません。とりあえず、横浜のホームは決定(恐らくDeNAサイドが渋々受け入れたのではないかと推測)しているので、あとは首脳陣の処遇とカネ絡みではないのでしょうか。

これを乗り越えても、残っているのがオーナー会議。この席で、残り11球団の承認が得られなければ、ご破算になるわけです。
他の球団が懸念しているのは、DeNAの経営状況。
モバゲーに代表されるように、急激に業績を伸ばした会社なので、経営体力があるのか、会社として安定しているのかというのが最大の懸念材料だと考えられます。というのも、預かり保証金などで30億円をNPB(日本野球機構)に支払わなければならないのと、前述の赤字補てん費を球団に毎年払わなければならない事態に陥ると考えられます。(ちなみに、DeNAの2010年度の営業利益は560億円)。
そのため、一部の球団は難色を示しているとされています。まぁ、露骨に「そんな会社は知らん」と言っているナベツネがいるあの球団が急先鋒じゃないかと思いますが、これいかに。逆に新興球団のソフトバンクや楽天は歓迎ムードで見ているのではないかと思いますが、いかがなもんでしょう。


とにかく、野球の運営はカネがかかるのは明々白々なのだから、預かり保証金とかでくすね取ることばかり考えるのではなく、複数の企業で所有することを認めるとか広島のような市民球団をもっと認めるべきなんじゃないかと思います。それに横浜の経営が圧迫されているのは放漫経営だけじゃなく、横浜スタジアムの問題もあるんじゃないかと。改修も含めて、ファンに魅力的な球場にすることも大事でしょう。
ただ、ファンにそっぽを向かれているのがDeNA時代でも続くようなら、いっそのことホントに新潟移転を真剣に考えた方が、将来のためにいいと思います。真剣に応援するファンがいれば、球団は自然と強くなりますよ。


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Posted by alexey_calvanov at 23:49Comments(0)TrackBack(0)