2011年06月18日

続けるもの、やめるもの

東日本大震災でゲーム開発にも大きな影響を与えたというのは、過去何回かお届けしてきたかと思います。
いくつかは延期したものの、無事発売されることで終焉しましたが、中には発売を中止したり、開発を一時凍結したものの、再度開発をすると決めたものも出てました。


発売中止の最たる例は、「絶体絶命都市4 -Summer Memories-」今年の夏に発売する予定で開発が進んでいたものの、東日本大震災の影響で発売中止が震災直後に決まったとされています。

そして最近、「モーターストーム3」が発売中止になったことが発表されました。発売中止に至った理由は『諸般の事情』としか明らかになっていませんが、恐らく「絶体絶命都市4 -Summer Memories-」の際と同様、東日本大震災の影響によるものではないかとされています。というのも、舞台設定が崩壊寸前の都市を疾走する・・・というものだからです。


正式に発売が決まる前に早々と中止を決めたものもありました。
それが桃太郎電鉄(桃鉄)シリーズの最新作(「桃太郎電鉄2012」という仮題でファンの間からは呼ばれていた)制作者のさくまあきらさんは、「被災地に物件がないのは悲しすぎるし、何事もなかったようにいままでの物件が堂々と登場するのも変だ」とブログ内で語っており、東日本大震災から被災地が復興するまでの間は新作を発売しないということも示唆しました。なお、この作品がWiiでの最後の作品になるとされ、一部からはWiiでの桃鉄シリーズの集大成になるとも言われていました。


逆に開発を続けることを決断した作品もあります。
水戸市に本社を置くPCゲーム(18禁)作品を制作するチュアブルソフトは東日本大震災で会社としての業務も成り立つのかと言われ、最新作「Astraythem(アステリズム)」は、架空の都市ながら、仙台市から石巻市の間を模した仙石市を舞台にしたことに加え、(架空の都市の舞台設定でもある)1996年の震災直前の街と、地震と津波から復興を遂げた街、そして現在を描いたストーリーが問題視され、一時は開発を凍結するということになりました。
しかしながら、復興を遂げた仙石市でハッピーエンドを迎える物語を変えることはできないということで、設定はそのままで開発が再開されることが決まりました。しかしながら、発売は少なくとも2012年以降になることと、地震描写に関しては、被災地への心情を限りなく配慮したものにしていくということだそうです。

いくつかの作品が、開発中止を進めていく中、敢えてそのままの作品を製作して行こうとするその意気込みは、実に立派だと思います。過度の自粛で委縮していく中、この取り組みは震災時における表現対策としていい見本になるのではないかと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 22:58Comments(0)TrackBack(0)

2011年03月15日

一部作品・イベントの延期・休止・中止相次ぐ

今回の地震により、「絶体絶命都市4 -Summer Memories-」が発売中止になったと書きましたが、それ以外にも発売延期の作品が出ているようです。


3月17日に発売予定だった「モーターストーム3」と「龍が如く OF THE END」が、どちらも無期延期になっています。
理由は諸事情としていますけれども、前者は崩壊した都市を舞台に疾走する作品、後者は崩壊した都市にゾンビが徘徊しそれを倒す作品で、今回の地震の状況下で発売するのが不謹慎になるのではないかと推察されています。

ゲーム関連のイベントでは、XBOX360のKinectを体験できるキャラバンイベント、「モンスターハンターフェスタ'11」がそれぞれ中止になっています。
また「メタルギアソリッドオンライン」・「ファイナルファンタジーXI」・「ファイナルファンタジーXIV」・「スカッとゴルフ パンヤ」などのオンラインゲームも東京電力の行う輪番停電の影響で一時休止すると発表されています。


アニメ作品でも休止される作品がいくつか出ています。

「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」・「ドラゴンクライシス!」の第10話が放送中止になる他、「これはゾンビですか?」・「君に届け 2ND SEASON」の第10話は1週間延期になるということです。
「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」に関しては作中のワンシーンが不適切ではないか、「これはゾンビですか?」は設定(ゾンビの主人公)が時節柄不適切ではないかという推測がなされていますけれども、「ドラゴンクライシス!」と「君に届け 2ND SEASON」の中止・延期理由は不明です。
また「映画プリキュアオールスターズDX3」の津波のシーンが今回の地震を連想させかねないということで修正が加えられたとのことです。

なお実写映画では、「ヒア アフター」が津波で被災するシーンがあったとして放映打ち切り、「唐山大地震 想い続けた32年」も題材が地震のため公開時期の延期が決まっています。


自粛ムードは大いに結構なことです。実際Wikipediaで現在行われている加筆コンテストの延期を促したくらいですから。

でも、これらの措置が過剰なものにならないようにしないといけないのもまた事実。特に中止・延期理由が明確ではない「ドラゴンクライシス!」や「君に届け 2ND SEASON」は、もしかしたらただのとばっちりじゃないかと思えてならないのです。時節柄に支障のない作品であれば、延期にせず通常通りの放送を行うのもエンターテインメントの役割ではないかと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 23:09Comments(0)TrackBack(0)