2012年12月12日

見事に成功しやがった

今日、北朝鮮が今年4月に続き、2度目の南方に向けたミサイル(北朝鮮では人工衛星)発射を行いました2006年・2009年に東方(つまり日本方面)に打ち上げたミサイルも含めれば4回目になります。
実は韓国の情報筋からミサイルに欠陥があるため修理が必要な状況下にあり、第1段目の取り外しを行っているないしは解体作業に入ったと言われていました(実際、北朝鮮サイドから発射延期の知らせを行っていた)。そんな中、諸外国の隙を狙って打ち上げを行ったという格好です。まぁ、諸外国はてっきり「まーた失敗か」とか「今回は失敗するとヤバいからかなり慎重になってるんだな」とか思っていたのに(苦笑)。

今回この打ち上げがすぐできたのは、スペアのミサイルから打ち上げたのか欠陥が思った以上に深刻ではないのですぐ打ち上げ準備に入ったのか、はたまた(今回の場合は打ち上げ延期という)ブラフを仕掛けて諸外国の監視の隙があった中で、急いで燃料を注いだ半ば不意打ち作戦だったのか。個人的な考えですけど、今回のミサイルがスペアではないのかと言われているだけに、スペアでの打ち上げはないと思ってますし、だからといって深刻な欠陥がなかったのならなぜ解体作業に入ったと見られる行動を行ったのか。謎は残ったままです。


いずれにせよ、今回の成功、しかも北朝鮮の予告通りの大成功だったため、4月に傷ついた国家の威信は見事に回復し、今後の核実験を含めた実験に弾みがつくことになるでしょう。闇ビジネスでミサイル開発が第三国に提供される可能性もあります。そして、韓国では衛星発射に失敗していることから、ロケット技術の面で優勢に立てたということで、国家の優位性を国民にもアピールできると同時に、故金正日総書記の遺構統治・金正恩体制の箔付けにもまんまと成功したわけです。
韓国・日本・アメリカサイドから見れば、正確な発射技術を身につけてしまい、日本やアメリカ本土を射程距離に持つミサイルが配備される可能性が出てきたことを意味しています。さらに、韓国にとっては移動式の短距離ミサイルも含め正確な射程技術で韓国中が標的になっただけでなく、昔南北会談の際に北朝鮮の外交官が発言した「ソウルを火の海にする」という発言が現実のものになりかねない事態に陥ったわけです。

ただ、今回北朝鮮が払う代償は大きいのは言うまでもありません今回の件で安保理の緊急会議が開かれることになり、追加制裁を食らうことになるのは確実でしょう。日本との対話に向けた交渉を行う話も反故されることになりました。韓国との関係も冷却し、いわゆるタカ派的な考えを持つ主張が優勢になるでしょう(これは日本でも言えることになります)。


喜びも一時の出来事・・・の中、瀬戸際外交が徳俵に乗っかったような状況に陥った今後の金正恩体制のかじ取りが気になるところです。


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Posted by alexey_calvanov at 22:36Comments(0)TrackBack(0)