2020年04月01日

ウソだろうと思った話とそうだろうなと思った話

今日2度びっくりした話。


新潟県にあるFM局のFM PORT(新潟県民エフエム放送)が6/30をもって停波(閉局)することが発表されました。突然決まったような感じだったので、Yahoo!のニュースを見てびっくりしたものです。

何度も説明しているのですが、改めて。
FM PORTは新潟県にある第2のFM局で、2000年に開局しました。新潟市が日本海最大の都市で政令指定都市にもなっているために開局できたのではないかとも思うのですけど、新潟県というと放送業界にも影響を与えたとされる田中角栄さんの出身地というのもあるのだろうと思うのですが(苦笑)。
さて、当初はJFL(Japan FM Network)の一員として加盟したのですが、すぐに脱退して独立局になりました。これが最後まで響いた・・・というふうにならなければと思ったのですが、やはりこうなったのか。
開局以来その独立編成を貫き、ほとんどの時間帯を自社制作していました(ネット番組は、ごく一部)。その番組構成は多岐にわたっており、ジャンルを超越した音楽番組・アニソンシンガーやアイドルの番組・Jリーグやbjリーグ(今日のBリーグ)中継(主にアルビレックス新潟や新潟アルビレックスBB)・新潟県知事や新潟県市長の出演する番組もありました。しかし、開局以来債務超過が続くという状況でもあったようです。スポンサー不足が続く中で、大口のスポンサーが出稿停止になったというのが停波への引き金になったようで、リストラ策や営業拡大へのテコ入れも行ったものの、新潟県だけでやっていくのは厳しかったのでしょう。もしこれが石川県で開局して北陸3県をエリアにしていたら、少しはやっていけたのかなと思ってしまうのは、私の認識が甘いのでしょうかねぇ・・・。

タイムテーブルを見た限りでも、債務超過を窺わせるような雰囲気はないし、スポンサーもコーナーとかにきちんと付いているようにも思える。地方局の割にはよくやっていると思いますよ。それでもやっていけないのは、すごく残念であります。


で、もう一方は、同じ日に公式サイトで発表されました。ニュースにもなっておらず、知ったのはFM PORT停波のニュースに付いていたコメントからという有様。どれだけ見捨てられた局なんだと思ったら、地元の外国語放送局であるRADIO NEOだったよ(泣)。

RADIO NEOは2014年に開局し、2010年に停波したRADIO-i(愛知国際放送)の代わりになってくれるのではないかとマニアからは期待された放送局でもありました。
しかし、蓋を開けてみれば、東京にあるInterFM(現在のInterFM897)の支局的な立ち位置で、開局からしばらくは独自編成もままならない状況でした。それでも、RADIO NEOに変わった(このあたりから『独立』した放送局になった)2015年から徐々に独自編成の割合を増やしていき、面白くなりそうだなと思っていました
ところが、2019年7月あたりから自社編成の枠が大幅削減され、InterFM897の枠が増えていきましたInterFM897もかなり苦しい運営になっており、傍から見ても貧相なラインナップになっていました。その後も自社制作番組が大幅に削られていき、今年に入ってほとんどの自社制作番組が姿を消しました。
人気枠だった番組も消えるというのは、かなりの異常事態だったので、かなり経営がヤバいんだろうなと思っていたら、案の定。公式サイトで6/30に停波することが発表されたのです。あの時と比較にはならないでしょうけど、RADIO-iの時はショックでした。しかし、今回のRADIO NEOは、やっぱりなと思わされました無くなっても仕方ないとも思っています。

こうなった原因は、いろいろあるのですけど、最大の原因は聴取率が上がらなかったことだろうと思います。毎回行われる聴取率調査週間(いわゆる「リスナーズウィーク」などと呼ばれるもの)では、0.1%あたりの超低空飛行だった点。それだけリスナーに浸透しなかった点・営業が機能しなかった点・既存の局(特にCBCラジオとZIP-FM)が強かったという点に集約されるでしょう。あと考えられるのは、親会社の木下グループが動いた点でしょう。支援が切れたので停波にかじを切ったという邪推もできなくはないです。InterFM897に資源を集中させたいという思惑もあったのかも。


こんなことになった以上、これからも中小零細の放送局は停波に向けてかじを切ることになるでしょう。RADIO-i停波時にも恐らく動いたところがあったことでしょう。しかし、一気に2局も停波となると、運営の苦しいラジオ単営局は窮地に追い込まれたと感じているかもしれません。
今後は再編が進むのか停波の動きが進むのか。今年はコロナショックによる不況の可能性が大になりそうなので、今年がターニングポイントになりそうです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:58Comments(0)