2012年09月28日

キャッチャーができないので引退します

それにしても唐突だったなぁ。そしてまた一人偉大な選手がプロの世界から去っていくのか・・・。


阪神の城島健司選手が今シーズン限りでの引退を表明しました。


城島選手は1994年にドラフト1位でダイエー(現在のソフトバンク)に入団。将来の大型捕手ということで、王監督(現会長)が粉骨砕身で育て上げた結果、捕手としての能力を存分に発揮しただけでなく、打者としてもパワーヒッターとしての側面を見せていました(今日で言うと、今年の巨人の阿部選手のような活躍ぶりが最も相応しいのではないかと)
その強靭な守備(リード面だけでなく肩の強さも折り紙付だった)とシュアなバッティングでダイエーの黄金期を支えた一人として今でもファンの間では語り草になっているのだと思います。アテネオリンピックでも日本野球の要として活躍し、銅メダル獲得の原動力となりました。

2006年にシアトル・マリナーズに移籍。それまで言葉の壁、投手中心の野球、そして大リーグのハードな日程に付いてこれるのかと当初は心配されていましたが、見事に乗り越え、勝負強い打撃も彼の躍進を後押ししました。チームはポストシーズンに進めなかったものの、イチロー選手共々日本人選手の素晴らしさをシアトルのファンに植え付けました
しかし、打撃不振と2009年シーズン初頭のケガでレギュラーを奪われ、1塁手でのレギュラー打診を断り自ら残り複数年(2年)の契約を破棄。移籍交渉の末、阪神で日本球界に復帰を計ったのでした。

ただ、阪神での3年間は決して本人にとってもファンにとっても納得のいく内容ではなかったと思います。相次ぐケガ、それによる打撃不振、そして内野手としての出場を余儀なくされ、城島選手の選手としてのプライドはズダズダになってしまっていたのだと思います。
捕手としての復帰が望めない、仮に復帰できるとしても数年は少なくともかかるという状況下で、彼が決断したのは、引退一択になってしまったのかもしれません。それがインタビュー内にあった「捕手として、捕手のまま・・・引退します」の一言なんでしょう。


また素晴らしいリードと鉄壁の守備を見たかったですね。まだ選手としては若く、これからも他のポジションならやっていけたのかもしれません。でも、捕手としてのプライドを掛け、捕手として選手生命を散らした城島選手の心意気は実に立派だと思いますし、彼の意志を尊重すべきだったのかもしれません。


城島選手、お疲れ様でした。捕手での日米での活躍は、これから当分見られない偉業だと感じています。捕手としての選手生命を賭けた18年は短くも実に光り輝いていたかと思いますよ。


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Posted by alexey_calvanov at 23:04Comments(2)TrackBack(0)