2013年05月27日

歴史的な壁画に旅の恥を書き込む中国人

先日、エジプト・ルクソール神殿の壁画に、中国人が書いたとされる落書きが『発見』され、中国国内が大騒ぎになるという事態が発生しました。しかもその落書きを『発見』したのが同じ中国人だというのだから、最初どう思ったんでしょうねぇ・・・。


事の発端は今月初め、丁度日本では大型連休の頃と思われます(注:中国では、この時期は5/1の国際労働節(いわゆるメーデー)と5/4の五四青年節(14歳以下の子供が対象)という休みだけで、特段連続した休日はない)。丁度ルクソール神殿を観光していた中国人観光客が、壁画に中国語と思しき落書きを発見その落書きは中国語で「(人名)、ここに遊びに来た」と書かれていたそうです。
その写真を5/24に中国のツイッターにあたる微博(ウェイボ)に投稿。すると、みるみるうちに、「中国人の恥だ」・「恥ずかしい」などといったツイッターのリツイートにあたる返信がその人に届けられ、ネット上でその行為をやったのは誰だという犯人探しが起こるほど炎上しました
その翌日には、南京市在住の中学生という犯人が特定され、犯人に対する糾弾だけでなく、「子の罪は親が償うべき」といった、犯人の両親に謝罪を求めるような意見も向けられました。
その日の午後に、南京市の地元新聞社を通じて両親が「教育がなってなかった」として涙ながらに謝罪したということです。

この一件に関しては、中国の外務省も謝罪とマナーの悪い中国人観光客に苦言を呈すなど国内・国際的な問題になりつつあります。実際、以前から最高幹部の人達が苦言を呈していることからも、その酷さは日常的だったとも言えるわけです


しかしながら、なぜ今頃微博に掲載したのか?
おかしいと思ったのなら、帰国してからなるべく早く掲載してもよかったのではないのかとか思ったわけですよ。諸外国を回っていてやっと帰国できたというのならわかるのですが、そのあたりの経緯が書かれていないところを見ると、何かしらのキャンペーン的側面でピックアップされ、やり玉に挙げられたのではないかと邪推したくもなるわけです。要は、南京市に住むこの家族は、庶民の不満を抜くためのガス抜きに利用されてしまったとも取れるわけです。


ともあれ、歴史的な遺物に落書き等を行うことはそれらを破損する行為にあたり、立派な犯罪行為です。どういう理由であれ、この家族が糾弾されるのは至極当然であって、擁護の余地は全くありません。ただこの家族を追いこみ過ぎるなよとは言いたいのと同時に、この家族にはこれを機に歴史的遺物への取り扱いを学んでほしいと思います


ただ、この問題は何も中国だけを責めることはできません
日本人を含む他の外国人も遺跡等に来た記念と称して落書きをしていくケースというのは後を絶ちません。先述の通り、落書きは歴史的遺物を破損する行為になり犯罪にあたります。世界遺産だったらなおのことです。
個人の勝手な行動で世界的な批判を浴びたら、その国のメンツだけでなく外交問題にも発展しかねない重大なものなのです。絶対にその国の歴史的遺物は尊重して取り扱うようにし、細心の注意を払って接して下さい。もちろん日本の歴史的遺物に対してもそうです。


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Posted by alexey_calvanov at 22:31Comments(0)TrackBack(0)