2011年11月17日

ボジョレー、ペットボトル入りも解禁

今年もフランスのワイン、ボジョレー(ボージョレ)・ヌーボーの季節がやってきました。


ボジョレー・ヌーボーとは、フランスのボジョレー地方で採れる赤ワインのことを指し、元来は農民が収穫祝いの際に飲んだワインとされ、あくまで今年のワインの出来を知るための試飲用として業界内でのみ飲まれていたものでした
そのため、他のワインと違い、熟成の必要がなくすぐ飲める代わりに、いわゆる賞味期限が短いため、少なくとも半年以上置いただけで、とても飲めなくなる・・・という代物でもあります。

日本では1976年に初めて輸入されたものの、本格的なブームになったのはバブル景気に沸いた1980年代末期先進国の中では最も早く飲めるということ、流行りもの好きの日本人の気質もあって、一時は空港にわざわざ飲みに行くほど一気に過熱したものの、バブル崩壊と共に一気に沈静化。しかし、1990年代後半に起こった空前のワインブーム以降一気に盛り返し、現在では定番アイテムとして生き残っています


ところで、ワインというとガラス瓶で売られていることが多いのですが、飛行機で空輸する際や船で輸入する場合、コストが掛ってしまうため、高くなってしまうというのがネックになっていました。
そのネックをなくすために、様々な工夫が施されてきました。そんな過程で生まれたのがペットボトル入りのボジョレー
このペットボトル入りになることで、ワンコインで買えるほどのお手頃価格になり、折からの消費不況にも打ち勝てるアイテムとして、スーパーや酒店、そしてディスカウントストアでも売られるようになりました。なお、最近の円高で、ワンコイン以下のワインも登場していますが、これもたいていがペットボトルで入れられたワインです。

ところが、これに待ったをかけていたのが、フランスのワイン委員会。やっぱりというのか、風味が損なわれるということで、昨年(2010年)からガラス瓶以外で詰めたワイン以外の販売を禁止するよう政府に働きかけていたのです。
しかしながら、ワイン好きが政府の中にいなかったのか、売れる機会を逃すべきではないと判断したのか、この要求を自由競争に反するという理由で突っぱねたため、委員会サイドがルール導入を断念名実ともにペットボトル入りのボジョレーが『解禁』されることになりました。


消費者にとってはありがたい話ではありますが、元々賞味期限の短いワインただでさえ味の劣化が早いのに、もったいないからと置いておいて、まずい状態で飲んでは本末転倒。買ったらすぐに飲むようにしてあげましょう。
・・・もっとも、酒好きではない私の言うこっちゃないですね、わかります(ニヤニヤ)。


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Posted by alexey_calvanov at 23:48Comments(0)TrackBack(0)