2018年01月13日

ムーミン、受験生に恨まれる

いよいよセンター試験の時期になりましたね。ほとんどの高校生が通る難関・・・というと大げさですが、これで受験校の合否が決まるというのですから、難関と言えば難関ですわね。


そんなセンター試験、日本海側や北海道では大雪に見舞われ、大変だったと思います。北海道では、列車事故で遅れそうになった受験生をパトカーで会場まで送る事態まで発生しました。韓流ここまで(韓国では、センター試験にあたる試験で遅れそうな受験生をパトカーで送迎する事態はよくあることらしい)・・・と思いましたけど、受験生の将来が掛かっていると思えば、当然の行動だろうね。むしろ、規則でがんじがらめに否定するよりかはいい。実に人間味あふれる警官ではないかと思いましたよ。


さて、そのセンター試験初日に行われた地理Bで出題された問題が話題になりました。
その問題が、北欧3国に関するもので、フィンランドのアニメとフィンランド語はどれかを選ぶものでした。例として挙げられたのは、「ニルスのふしぎな旅」の舞台になっているスウェーデンとその言語のスウェーデン語。そして選択肢に挙げられていたのは、「ムーミン」と「小さなバイキングビッケ」という作品でした。
どっちも1970年代に放送された(どちらも後年リメイクされてはいるものの)作品なので、知らないと言えば知らないわな(汗)。しかも、「ムーミン」の作者であるトーベ・ヤンソンはフィンランド出身であるものの、普段はスウェーデン語の話者だった、フィンランドそのものがフィンランド語だけでなくスウェーデン語も公用語として採用している、そもそもムーミンはムーミン谷という場所が舞台で、それがフィンランドとは明確に示されていないなど問題の穴もあったと言うべきなんでしょう。でも、思うに推測できる要素は結構あるんですよね。ちなみに、自慢ではないですが、問題を読んで、この回答が2(アニメーションが「タ」、言語が「B」の組み合わせ)ということが何となくですがわかりましたよ。


この問題のポイントは、作品がわからなくとも解けるように仕掛けられている点
「いくらですか?」の『Hva koster det? (ヴァ コステル デ)』と『Paljonko se maksaa? (パリヨンコ セ マクサー)』。問題に出ているスウェーデン語は『Vad kostar det? (ヴァッ コスタル デッ)』となっています。そして、フィンランドは、フィン・ウゴル語派という言語で、どちらかというと東ヨーロッパ(特に隣の国になるエストニア)に近い。そして、スウェーデン語とノルウェー語は、元々デンマーク語に近い北ゲルマン語群の一つとして認識されている点を考慮すれば、発音とつづりが似ている2語が類似ではないかと推測でき、『Hva koster det?』がノルウェー語と推測できるわけです。さらに、バイキングの主な活躍地はノルウェーとデンマークスウェーデンにも活動の幅を広げているので、繋がりは深いです。そこから考えると、「チ」と「A」が違うことがわかるはずなんです。
だのに、ムーミンに逆恨みして、ムーミンの公式やフィンランド大使館の方々を困らせるなんて・・・。余裕がないのはわかるけど、見抜ける要素がいくつもあって、穴があるけど回答不可ではないはず。


受験生には頑張ってほしいですけど、逆恨みをせずベストを尽くしてほしいものです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:57Comments(0)