2014年02月03日

また悪夢を見ることになるのか・・・

岐阜県をエリアにして放送しているJFN(全国FM放送協議会)傘下の放送局Radio 80こと岐阜エフエム放送。
岐阜県大垣市に本社のあるこの放送局は、2014年2月現在、21世紀に唯一開局(2001年4月1日開局)した日本で最も若い放送局でもあります(2014年4月にInterFM名古屋が開局予定のため、この枕言葉は取れる予定)
しかしながら開局以来、設備投資などの理由で大きな赤字が積もっており、かつ折からのラジオ離れと岐阜という地域事情(美濃地方は愛知県・三重県のAM・FM局が入る点とぎふチャン(岐阜放送)という50年以上の実績を持つAM局が控えているため)でつい数年前まで黒字転換できないままでした。
そのつい数年前から黒字転換できていた矢先に、業界新聞の報道ではありますが清算されるのではないかという報道が出されました。きっかけは昨年8月頃に大株主であった新聞社の中日新聞・岐阜新聞が資本から離脱したことから始まります


ただ、清算=閉局と考えるのは早計で、実のところまだそう考えるに至らないでも済む可能性があります。というのも、唯一の救いはRadio 80がJFN加盟局だったというところでしょう。

過去、JFN加盟局で経営危機に陥った放送局がありました兵庫県をエリアにしているKiss FM KOBE(兵庫エフエム放送)です。
この放送局の場合は社内の粉飾決算を端に発したお家騒動がきっかけだったのですけれども、この一件によってTOKYO FM(JFNのキー局)などが支援に乗り出し、新法人(現在の兵庫エフエム放送)を立ち上げ、旧法人に債務などを押し付けて清算させたという経緯があります(以上の方式を事業譲渡・会社分割と言い、特に専門的な表現として新旧分離と言います)。


で、今回のRadio 80では、先述の業界新聞の報道によれば、以下のような動きを見せているとされています。
今回の一件でも、TOKYO FMおよびJFNはネットワーク維持のため支援に乗り出すというふうに見られており、隣局で東海地方では最大のFM局になるFM AICHIも常務を出向させて、新会社設立で経営再建を図ることなると見られています(前述の新旧分離方式を採る可能性がある)

また現在、放送法を改正しようという動きが起こっており、その中には都道府県を越えた企業(放送局)合併を行えるようにしようという動きも起こっています。その渦中で発生した今回の騒動(まだ確定とは言い難い面もありますが)。まだ清算=閉局は早計とはいえ、仮にRADIO-i(愛知国際放送。2010年に閉局)の悲劇が再びこの東海地方で起こってしまえば、文化面で恥の上塗りになりかねません。放送業界に対して実に冷たいところだと言われることだけは絶対に避けなければなりません。
また来るべき東海・東南海・南海沖地震に備え、緊急時に放送できる施設としての側面を持っているだけに、今回の清算を絶対に閉局への道筋付けにしてはなりません。
さらに、4月に開局予定のInterFM名古屋にも大きな影響を与えないか心配です
スポンサー集めでただでさえ苦労しかねないのに、Radio 80での苦境が広まってしまえば、今後の営業にも影響を及ぼすのではないかと思っております。特に脆弱な外国語放送局という位置付け上、ちょっとしたことでも経営危機に陥りかねません。


何とかして地域の多様性を守るためにもRadio 80はいかなる形であれ存続してほしいものです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:58Comments(0)TrackBack(0)