2017年12月20日

逆だろ!

聞けば聞くほど腹立たしい。


先日、沖縄県にある普天間基地そばの小学校に、基地から飛び立ったアメリカ軍のヘリコプターから窓が落下して、あわや大惨事になるという事態が発生しました。
その後、その小学校に「基地が作られた後、そのそばに建てたのだから文句を言うな」とか「基地で稼いでいるのだからいいだろう」などの中傷が25件も寄せられたのだそうです。この苦情と称した中傷を行った人間は、全く沖縄の戦後史をわかってない方々なんでしょうね。


皆様ご存じだと思いますが、沖縄の戦後史は他の都道府県とは違う歴史をたどっています
戦後約30年はアメリカによる統治の下で過ごすことを余儀なくされ、本土に渡るにもパスポートが必要でした。日本円は実質使えず、琉球政府が発行したお金かアメリカドルしか使えなかったのです。甲子園に出場した高校生が、甲子園の土を持ち帰ろうとしたものの、沖縄県に入った途端、検疫のために捨てざるを得なかった話は、沖縄の戦後史を語る上で重要な悲しい出来事の一つでもあります。

さて、戦後に作られた日本にあるアメリカ軍の基地は、7割以上沖縄県(沖縄県全体では17%ほど)が未だに占め、中には都市のど真ん中にあるという基地もあります。そうなったのは、戦後統治したアメリカ軍が接収したためなのです。しかも、その接収した土地は、かつて集落や田畑があり、中には墓地など沖縄県民(家族)のアイデンティティの象徴もあったのです。それを有無を言わさず強制的に接収されたのです。そして、基地があるがために、土地が足らず、学校などを基地の近くに建てざるを得ないのです。
そのような経緯があったことを、中傷していた人達は全く知らないのでしょう。ネトウヨの自分の都合だけで仕入れたニュースだけでこのような結論に至ったのではないかと邪推したくもなります。


こんなことにならないようにするためにも、日本史でも近現代史をきちんと教えることが重要だと思います。私は日本史はあまり好きではなく、世界史の方が好きだったこともあり、文系に進んでも世界史を選択科目で選んだほどですけど、それでも近現代史だけはきちんとやった記憶がありますできるだけ、学校の現場で近現代史を集中して行ってほしいのです。センター試験に出ないからという理由で軽視される傾向は、私の時からありました。試験は関係なく、一般常識として沖縄の戦後史は教えるべきなのではないのでしょうか。どれだけ沖縄の人達は苦しんでいるのか。どれだけ大変なのか。基地があることで潤っている人がいるのも事実ですけど、それは全体のほんの一握りだけなのです。
そしてアメリカ軍も、通常訓練の場合は、周辺住民への最大限の配慮を行うべきです。当時は何でも国の意向で・・・と押せたのかもしれないですけど、今はそうではありません。コンプライアンスの嵐吹き荒れる・・・と文句を言いたくなるのでしょうけど、今はそれが常識なのです。


沖縄県は、戦後日本の発展ために犠牲になっている側面があることを忘れないでほしい、ネトウヨが妄想する沖縄県への見方はほとんど全てと言っていいほど間違っている、そしてアメリカ軍は理由はどうあれ沖縄県民の怒りを軽視してはいけない、少なくともこの3つを私達は覚えないといけないのです。


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Posted by alexey_calvanov at 23:42Comments(0)