2011年07月20日

さらば、昭和最後の関取

九重親方(元横綱千代の富士)の記録を抜いたのもつかの間、待っていたのは力士としての限界でした。


大関の魁皇関が、昨日の大関琴欧州関との一番をもって現役を引退することを発表しました。

以前にも書いたように、身体が満身創痍の中で取り組み続けていました。そのために今場所も腰の調子が思わしくないまま挑みました。そのため、得意の右上手が取れず、押されっぱなしの取り組みが続いていました。また、記録を抜いて以降は、気力が充実しない日々が続いたとも言います。

魁皇関は1988年初土俵。その頃は、後に若貴フィーバーの主役になる貴乃花・若乃花の他、後の初の外国人横綱になる曙といった名横綱を輩出した時期でもありました。
その後は初入幕までは早かったものの、大関までになるのに苦労し、大きなけがも経験しました
大関に昇進後は5度横綱に挑んだものの全て失敗し、最後の横綱挑戦失敗後は、先述の通り満身創痍の中、引き際を探すといった状態になっていました。
しかし、その間に積み重ねた勝ち星が、どんどん大きく重いものになっていき、遂には今年の名古屋場所で九重親方(元横綱千代の富士)の通算勝ち星を抜く1047にまで押し上げたのです。

今後は浅香山という年寄を取得し、親方としての道を歩むことになります。


魁皇関自身は「思い残したことは何もない」と言っていたのが印象的でした。
確かに、もう身体のことを心配して場所に向かわなくてもよくなったわけですから。本当は、もう少しやりたいのではないのかなとも思えてなりません。しかし、もうこれ以上やっても勝てる状態ではないと思いますし、この時期がちょうど引き際としてはよかったのかもしれません。私自身はもう2場所まで・・・とも思っていましたが、本人の状況を考えると、それもやむなしとも感じています。


これで昭和を経験した関取がいなくなったばかりでなく、横綱に続いて大関も外国人力士のみになりました。何とかして、この引退を日本人力士の奮起する材料にしてほしいものです。


最後に、本当にお疲れ様でした。この偉大な記録に追いつく人材を育てられるくらいの立派な親方になって下さい。


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Posted by alexey_calvanov at 23:12Comments(0)TrackBack(0)