2012年12月13日

ボケちゃってるんじゃないのか?

日本は選挙まっただ中なんですが、イタリアは来年総選挙が行われるそうです。
日本以上に深刻な経済危機に陥っているイタリア。ギリシャほどではないものの、その経済危機は、債務不履行(デフォルト)に陥れば、ヨーロッパ中に大きな経済不況をもたらすばかりか、世界の経済をも冷やしかねないとして、その解消に躍起になっています


そのイタリア、以前はイタリアのメディア王でもあるベルルスコーニ氏が首相を長く務め、日本の小泉路線のような経済改革(新自由主義路線)や小沢一朗衆議院議員(注:選挙中のため現在は正確なところ議員ではない)のような壊し屋とも言えるくらいの政界再編を行っていきました。途中左派政権に2度政権を奪取されるものの、通算9年首相を務め、戦後イタリア政治に大きく名を残す人物となっています。

ところが、汚職やスキャンダルにまみれた政治を行っていると揶揄されることも多く、スキャンダルが発生するたびに、自身が持つメディアを介して火消しに走るなど、ある種ヤクザ的なやり方で自身の政治生命を延命して来てもいます。しかしながらその政治生命は2011年に起こった性的スキャンダルと深刻な経済危機によって潰えることになります。

その後は、スーパーマリオの異名を持つ経済学者のモンティ氏がイタリア大統領の指名を受けて首相に指名され、大規模な緊縮策を含めた経済再建をかじ取ることになりました
ところがラテン気質のあるイタリア人にとって、大規模な緊縮策というのは楽観的に楽しむ上でこの上なく窮屈に見えたのでしょう。緊縮策はおおむね評価されているものの、ベルルスコーニ氏が率いる野党自由国民がその緊縮策を非難。遂にはモンティ降ろしを画策するにまで至り、モンティ首相は予算成立後に辞任すると公表し、来年2月に行われるとされる総選挙になったのです。
そのモンティおろしを行った自由国民は、モンティ首相が就任したことで政界引退をしていたはずのベルルスコーニ氏が再度(4度目の)首相に出馬することを決めたのです。
自身は自信満々で出馬を表明したものの、幾度となく起こったスキャンダルに国民も辟易しているのでしょう自身の率いる自由国民は15%ほどしかなく、その支持率は伸び悩んでいました。

万事休すのベルルスコーニ氏は、驚く奇策を打ってきます。何と政敵だったモンティ首相を自身の党を含む中道右派勢力の首相候補になるのなら、自らは首相出馬を辞め支持しますと表明したのです。昨日の敵は何とやらというふうですね。


はっきり言えば、どこかの暴走老人よろしくボケちゃったんじゃないのかとのたまいたい気持ちですね。自分の政策を押し通せなくなったからといってはしごを外しておきながら、いざ自身の支持が広がらないと察知すれば大衆迎合とも取れるすり寄り具合。これは、日本の政治も真っ青なくらい『政治屋』具合ですな。


かねてから、私は日本の政治はヨーロッパのいいところも悪いところも教訓にして生かすべきだと思っていましたが、今回の件も日本の政治に当てはめれば、今回の集合離散劇にも通じるんじゃないのかなと、暴力的ですが見ております。


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Posted by alexey_calvanov at 23:54Comments(0)TrackBack(0)