2013年06月10日

auの通信障害、そのお粗末な結論

4/27・5/29・5/30に東京・神奈川・山梨の一部で起こった4G LTEの通信障害。これら一連の通信障害は一部通話障害にも発展し、ある意味前代未聞の通信障害になったわけですが、その原因が今日の記者会見の中で明らかになっています。


簡単に言うと、LTE基地局を束ねる制御装置(MME(Mobility Management Entity)と言うらしい)の故障だそうで。
LTEが行っている通信の仕組みとは、LTE端末がネット通信を始めようとすると、基地局がシグナルを出してMMEに問い合わせ、MMEが認証。その後、2つのゲートウェイを経由してネットに繋がるというふう。


今回は全国19あるMMEのうち東京多摩市にある2つのMMEがやられてしまって、大混乱に陥ったとのこと。
これ以上の詳細は専門家ではないので割愛しますが、これも簡単に言うと以下の通り。


4/27の障害は最初バグの発生したMMEをフォローしようと思ったら、2番目のMMEにもバグが発生。それに伴い輻輳(ふくそう)も発生双方がシステムダウンを起こしたということだそうな。

5/29の障害は、4/27の障害を修復する過程で起こり、結局4/27以前の状態に戻そうとしてまた双方のMMEがシステムダウンを起こしたという極めてお粗末な結果に。この時通話障害も思っているのですが、これはLTEが落ちたため3Gに切り替わったため3Gに切り替わった際には、ゲートウェイが加入者情報管理システムに知らせなければならないのですけれども、MMEが双方ダウンしているのでそこと加入者情報管理システムの間で輻輳が発生して電話網の処理ができなくなったとのこと。

そして、5/30に改めて4/27の障害解消ファイルを送付したのですけれども、投入前に最初のMMEに過負担が起こってダウン2番目のMMEに引き継ごうと思ったらその途中でバグを誘発してしまい、結局双方がダウンしてしまったとのことらしい。この一連の通信ダウンは6/10に復旧したと報告が出ています。


この一件で、auとKDDIは設備投資(MMEと付帯設備の増設)を行って、作業手順の確率とトレーニングも同時に行っていくということだそうです。
そして、今回の一件でデータ通信のできなかった約64万人と音声通信のできなかった10万~20万人に約3日間に相当する障害とみなし、735円の通信料の減額を行うと決めています


今回の一件は、非常にお粗末というのかあってはならないことだと思えるわけで。
今まで通信網に関してはかなりの自信を持っていた会社だけに、一度そのぜい弱さを露呈するとここまでもろいのかと思って見ておりました。今回は首都圏の一部で起こったことですけど、これが関西・東海といった他の大都市で起こらないわけがないので、今後LTEの普及に伴って早急な設備投資を地方でも活発化させていかないといけません
同時に、今回発表がなかったのですけれども、iPhoneを利用する2.1GHz帯は20%、全体でも71%の実人口カバー率だった件も見逃せません通信トラブルと虚報が続けば、auから移ろうとする人は増えるかもしれません。


確実に出た杭と膿は取り除いていく(つまりは設備投資をきちんと行い、エリアを愚直に拡大する)ことをしていくことが、将来の信用に繋がっていくと思います。できれば定期的にレポートを出していって、対策は着々と進んでいますよとアピールし、一連の対策を透明化する、つまり積極的に公表していくべきだと思います。


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Posted by alexey_calvanov at 22:52Comments(0)TrackBack(0)