2017年08月13日

【ボルトは】誰もが想像し得なかった、驚きの結末【伝説に!】

世界陸上ロンドン大会、前日夜(現地時間。日本では今日早朝)には4×100mリレーが行われました
かねてから日本はメダル候補と言われていたものの、アメリカ・ジャマイカといった実力者の一角の中でありながら、予選では下から数えた方が早いくらいの突破(しかもまだ実力では下になる中国より下回った)で、本当にメダルが獲れるのかとさえ思っていました


そんな中迎えた決勝。元々足の調子が悪く欠場していたサニブラウン・アブデル・ハキーム選手と予選は走ったケンブリッジ飛鳥選手を外して挑んできました。メンバーを替えるとは言っていたので、まさかサニブラウン選手を強行出場させるのかなと思ったら、まさかのケンブリッジ飛鳥選手外し。一瞬正気かと思ったものの、今年のタイム差で見たら、あまり変わらないのよね。そう思えば、やむなしかと。

で、決勝。1走が多田修平選手、2走が飯塚翔太選手、3走が霧生祥秀選手、アンカーが藤光謙司選手で挑んだ大一番、バトン回しが見事にハマっていたものの、今回開催国になったイギリスが素晴らしい走りを見せ、アメリカ突き放しに掛かりますウサイン・ボルト選手のラストランになる、しかもボルト選手は予選も走るというサービスぶりを見せたジャマイカもボルト選手に有終の美を飾らせようと必死に走ってきたので、日本は4位に留まっていました
もはやこれまでか、ボルト選手が奮闘するか・・・と思ったその時、大きなドラマが待ち構えていました。誰がこんなシナリオ書いたんだよと思うくらいに、悲喜こもごもするシナリオですよ。
最後アンカーにバトンが渡り、ボルト選手の猛ダッシュ・・・と思ったその時、そのボルト選手が足をつり(左足のけいれんらしい)、日本が追いすがる中国を必死になってかわし、銅メダルを獲得上位は何とかして金メダルを獲って陸上大国のプライドを保ちたかったアメリカを最後までかわし続けたイギリスが、開催国の意地を見せて金メダルを獲りました。


正直イギリスの選手って、そこまで実力のある選手ばかりだったっけと思うほどなのに金メダル。恐らくバトンパスを徹底研究した上での結果なんでしょう。日本もそうですが、100mで上位進出者がいない中でメダル争いできるのは、個々の能力を最大限に引き出し、かつチームプレイを磨いてきた結果だと思います。バトンパスもチームプレイを高める要素ですからね。
日本はよく諦めずに頑張りました。参加できなかったサニブラウン選手の代わりを皆が務めた結果が結実したのだと思います。今後の国際大会に大きな弾みになるでしょうね。相手もバトンパスなどで研究を重ねてくるでしょうから、今後もどんどん磨いてほしいものです。
そしてボルト選手は、この大会で伝説に、星になったとも言えるのかな。世界陸上できら星のごとく現れ、以降世界新記録を叩き出し、圧倒的な強さで他のランナーの追随を許さなかった。あのボルト選手が、最後華々しくロンドンで散ったんです。『王者(ウサイン・ボルトという選手として)の最期』を私達は会場でテレビで看取ったのです。日本では世界陸上で初めて銅メダルを獲ったということだけでしか語られないでしょうけど、世界ではボルトの壮絶なラストランとして語り継がれるでしょう(メダルを獲ったイギリスやアメリカでも、です)。それだけすごい展開だったんです。


これで、すんなりボルト選手が引退するのかなと心配しています悔いの残る走りになったんじゃないかと(100mでは銅メダルで終わっているのもある)引退撤回しても誰も文句言わないでしょうけど、ここですっぱりと辞めると言えば、これはこれで潔い引き際だとも感じますしばらくは世界記録を脅かすスプリンターは出てこないでしょう。それでも100mは陸上の華。また世界をとどろかすような選手が出てくることでしょう。それまで私達は待つしかないのです。


最後に、日本のリレーの皆様、銅メダルおめでとうございますウサイン・ボルト選手、本当にお疲れ様でした。


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Posted by alexey_calvanov at 21:49Comments(0)

2016年08月21日

ファイナリストがいなくても、9秒台の選手がいなくても

リオデジャネイロオリンピックの男子4×100mリレー(400mリレー)で、日本は快進撃を見せました。アメリカ、トリニダード・トバゴ、カナダなど並み居る強豪をねじ伏せ、2位に。山県亮太・飯塚翔太・桐生祥秀・ケンブリッジ飛鳥の4選手は本当によく頑張りました。おめでとうございます。


日本大躍進の要因は、よく言われていますが、バトンパスに尽きるわけです。
体育の授業でリレーの練習を行った人はよく覚えていると思います。バトンパスには2種類あり、オーバーハンドパスとアンダーハンドパスがあります。
前者は上から下に渡すので確実性はあるものの、次走者のスタートが崩れる可能性もあるので、タイムが伸びないという欠点も持ち合わせています。対して後者はスムーズな受け渡しができ、タイムロスが少ないものの、手元が見えないため確実性に欠け、受け渡しの距離は稼げないという欠点を持ち合わせています。ゆえに前者が守りのパス、後者が攻撃的なパスとも言えるわけです。
その中で日本はアンダーハンドパスに磨きをかけ、その技術を向上させていきました従来の欠点だった距離を稼げないという点を双方が腕を伸ばすことで解決し、確実な受け渡しを達成するために個人練習並にリレー練習に割いて、走者同士の信頼を高めていきました外国の選手ではリレー練習に割くことがあまりないとされ、仮にできたとしても所属企業(チーム)コーチ同士の確執も起きかねないため、難しいとされているだけに、日本全体で団体競技をサポートしている点では世界一なのではないのでしょうか。


世界が日本の技術に舌を巻いたとはいえ、今後、世界の主流がアンダーハンドパスになるかどうかはわかりませんあまりにリスキーなパス回しなのは変わらないので、日本並の練習ができるかがカギになるでしょう。日本としてはパス回しでのタイム向上は限界の域に達しているので、念願の9秒台の選手が出てくるなど個々の能力の向上が大きな課題になってくるでしょう。9秒台の選手が揃い始めたら、日本の金メダルは固いものとなるでしょうね。


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Posted by alexey_calvanov at 23:10Comments(0)TrackBack(0)