
キャッチフレーズは『一家に1部 通勤の友達』。
しかし実際は帰宅途中のサラリーマンに非常にウケの良い新聞でした。
名タイは戦後すぐに中日新聞(当時は中部日本新聞)の僚紙的(傘下的な)な位置付けで創刊。こと夕刊を読まないといわれる名古屋の中では珍しく地域に根ざした夕刊紙でもあり、他の夕刊紙(主に日刊ゲンダイ。日刊フジは名古屋では販売がない)やスポーツ紙と十分互角に張り合っていた時期もありました。
しかし、近年の活字離れやインターネットの普及、そして何より名古屋の夕刊を読まない習慣が生んだ新規部数の伸び悩みによって、遂に10月初めに休刊の発表がなされ、今日休刊となったわけです。
私自身は地元紙の夕刊を読んでいるため、名タイに触れる機会が余りなかったのですが、スポーツ紙並のバラエティに富んだ芸能・スポーツ(特に野球・競馬)面に、一般新聞紙と寸分違わぬ政治経済記事が同じ紙面に散りばめられており、そこに先述の地域面が踊っていて、読んでて面白い新聞だなと思いました。しかしながら、夕刊紙の中では120円とやや高いのは気になりましたね(それでもスポーツ紙に比べたら妥当なのかもしれませんが)。
今後、会社は解散(紙面を印刷していた関連会社のみ存続)の方向に進むことになるそうです。
今年の夏に、名タイの長年の歩みがパネルで紹介されていたのを見て、その長い歩みに驚いたのですが、その数ヵ月後にこのような結果になってしまったことに驚きを隠せません。
名古屋の習慣に逆行して必死に根ざそうとした夕刊紙として、その地位は確固たるものがあったと思います。特にオリジナル色を出すために地域密着を掲げたことは、他の一般紙やスポーツ紙ではできないことでしょうし、今日のエリア紙の先駆けとして、見習う点・残すべき点はあるかと思います。
最後に、長い間お疲れ様でした。