今年日本ハムを戦力外通告されトライアウトを受けていた多田野数人選手、どうやら日本ハムと再契約になるようです。もちろん大幅な年俸ダウンは避けられず、背番号も65になることが決まりました(戦力外になる前の背番号は16)。
こういう前例はなかったわけではなく、今年再び戦力外になった坪井選手も2006年に戦力外になりながら再契約という形で拾われ、その後代打の切り札として活躍していました。
多田野選手は、独特の投球フォームで有名になったばかりか、最速と最遅のスピード差が恐らく日本(下手したら世界)で一番大きい選手じゃないかと。
最速は145km/h(昔は150km/h以上出ていたらしい)のストレート。それ以外にも切れ味の鋭いスライダーやツーシーム、フォークなど多彩な変化球を持ち合わせています。中でも通称『ただのボール』と呼ばれる球は特に有名で、スピードガンでも計測不能な山なりの超スローボール(画面の枠でも追い切れないほど)を投げて周囲をあっと言わせたという経歴を持っています。
しかし、多田野選手にはもう一つの経歴があり、これも彼を語る上では外せないものになっています。それは学生時代にゲイビデオに(カネのためとはいえ)出演していた経緯があり、このことがきっかけでドラフト上位指名確実だったのが全くなくなってしまい、彼がアメリカに行くきっかけになったとされます。
ただアメリカのメジャーリーグでも、その件で苦労したといわれており、釈明会見が開かれるまで、彼の扱いはとても冷たかったとされています。
そんな冷遇を乗り越え、戦力外という冷水をぶっかけながらも、再び戦力として復帰したのですから、死に物狂いで頑張ってほしいものです。
ただ、先発で扱われるのは、投手陣と年齢から考えると苦しいのかも。恐らく中継ぎでの登板が増える(あってもローテションの谷間の先発くらい)のではないかと推測されます。