この上田電鉄別所線、再三の廃線の危機を乗り越え、今は上田市の財政支援を仰いで何とか存続している路線。また別所線以外にも、以前に紹介した通り、複数の路線が存在していたのですが、現在残っているのはこの路線のみ。
この路線が、別所温泉に向かう唯一の足であるのと同時に、地域住民の存続の声が大きかったため、今でも残っているというのが現状です。
なお、「サマーウォーズ」以外にも様々な作品で紹介されており、最近のドラマなどのマルチ展開作品では「鉄道むすめ」(実際に主人公の八木沢まいのフィギュアが販売されている)、バラエティでは、「走る男F」で沿線が紹介されています。
そして特筆すべきは、マルシンハンバーグのテレビCM。このCMのロケ地が上田電鉄沿線で、主人公の旅立った駅は舞田駅、CMの最後に出てくるのは、上田~城下の間、千曲川にかかる鉄橋という路線をまるまる生かしたものになています。
本当に時間があれば、そこらへんも紹介したかったんですが、今回はそれまで紹介できる時間がなかったので、またいつか行った時に時間をかけて紹介してみようかと。

・・・いや、決して首(以下自主規制(爆))。<よせ、縁起でもない。
上田駅から電車に揺られて、バスの時と同じこれまた15分。丁度別所温泉との中間地点になる下之郷駅に到着。
中間地点というのは、ここで別所温泉から来た電車と入れ違いができるため。それ以外にもいくつかの駅で行き違いのできる構造のホームになっていますが、常に行われているのはここだけらしい。
駅舎もない非常に閑散とした駅で、ホーム内の建物に駅員が常駐している状態。
かつて一旦無人駅になったものの、その後の経緯で再び有人駅になったという複雑な経緯を持っている駅でもあります。

せっかくなので、撮っておく。

うん、「サマーウォーズ」そのままだ。
ちなみに、動いていない状態なら、引き込み線に保存されているものの、中を見ることはできない。今回はその中の状態を見たいがために、ここにやって来たのだ。
・・・でも、下之郷駅で上田に戻る丸窓電車に乗って帰れば、万事解決だったんですけど、そこまで頭が働かなかったんだよね(爆)。
まぁ、でも本物の丸窓電車が見られるいい機会なので、向かうことにした。
それはここから少なくとも5km以上離れている場所にあり、歩きでは到底間に合わない。そこで、あらかじめ調べていた自転車の貸し出し、つまりレンタサイクルが行われているのが、この駅だったのだ。
駅舎で受付を済まし、いざ6台あるうちの1台を借りよう・・・と思ったら、駅員の整備怠慢(爆)で、3台が空気抜けのオシャカ(泣)。1台は後輪のチューブの空気が漏れないようにする栓がない(核爆)。
ということで、残ったのはたった2台。駅員は長野県民らしいというのか、大らかに対応していたのが印象的。ちょっと反対側を向いただけだけで、危ないと怒っておいてそれはないだろう・・・。
しかし、ここで愚痴っても仕方がない。空気の入りが怪しいながらも、目的地に向かうことに。
いざ目的地に・・・と思い勇んで向かったものの、2度道を間違えるわ、山道のように急峻じゃないものの、だらだらとした上り坂が延々と続くことで、山道を歩いている私の身には疲労困憊を越えた何かが襲ってきて、もうこげない(大泣)。
12:45から出発として1時間15分をこの間見越していたのだが、一気にタイムリミットに定めた13:30。14:01発の上田行で戻らなければ、次の目的地に間に合わない。<またこのパターンかよ(ニヤニヤ)。
でも、地図で見ると、あと数百メートル。いくか引き返すか散々迷った挙句、行くことに。
そしたら、13:40に目的地に着いたのだった。

1980年代のマルシンハンバーグのCMにも出てくる、1986年の電圧上昇のためによる廃車まで走っていたあの列車です。
この電車は、上田市丸子(旧丸子町)にある長野計器・丸子電子機器工場入口に置かれています。
平日ないしは土曜日の場合は、下之郷駅から最寄りまでバスが出ているものの、日曜日は運休しているので、今回苦労してレンタサイクルで行ったわけです。
・・・楽してタクシーという手も考えてたんですが、タクシー停まってないんだよ(泣)。
・・・いや、正確には、着いたらすぐにタクシーが『逃げた』(大泣)。

ただし、中が見えない日もあるので要注意。
ちなみに、この列車内には、丸窓電車に関する貴重な資料がたくさんあります。
時間があればもっとゆっくりしたかった(苦笑)。案内員の方、いきなり来ていきなり帰ってすいません。
さて、時間がない。
果たして駅まで時間内に帰れるのか・・・という不安は案外早く吹き飛んだ。
そう、だらだらとした上り坂が行きで続いていたのなら、帰りはその逆。そう、一気に駈け下りれるのである。
しかも、もう迷うことはない。道すがらで帰れるので、駅の場所さえ間違えなければ、かなり早く行けそうなのだ!
そんな勢いを借りて行くこと数十分で下之郷駅に戻れた。着いた時刻は乗る電車の5分ほど前。実に15分ほどで着いたことになる(汗)。
まるで、999の鉄郎の気分だ。
そんな気分に浸りながら電車を待っていると、苦労した私に神様は何かしらのお礼をくれたようだ。
そう、着いた時に来た電車が戻ってきたかのようにやって来たのだ。

丸窓の部分は、本当にそうなっているのではなく、シールで雰囲気作りをしているだけ。

14:17に上田駅に着く。
14:46の乗り換えまで少し時間があるので、上田城跡に向かうことに。

上田城跡入口にある櫓(やぐら)門。「サマーウォーズ」で陣内家の門構えになっていたもの。
これはかなりどっしりとしている。

階下では「サマーウォーズサイダー」もあったそうだが、既に売り切れ(泣)。
ぐずぐずしていると間に合わなくなるので、帰ろう。

作中でも出てくるあの役所。
実は、上田市は昔勤めていた仕事の関係で住んでいた場所なので、それなりに見知った場所もある。
懐かしさと新鮮さがないまぜになった中、上田市内を歩いていたら、おいおいあと5分もねーよ(ギャハ)!
再び鉄郎のような感覚で大急ぎで上田駅に戻り、しなの鉄道に乗り込むのだった。