よくある話、新規契約(ナンバーポータビリティ含む)ないしは機種変更をする際、こんな文言を言われたことはないでしょうか?
「今新規(機種変更)されるにあたって、以下のプランを付けていただくことになります。(中略)。付けて頂いても○ヶ月で外していただいて結構ですよ」と。
中略にしている部分は、キャリアによって多少違うものの、たいていはウェブに繋ぐためのオプション・留守番電話サービス・キャッチホン(割込通話)・アフターサービス関係のオプション。場合によってはプレミアム特典の受けられるサービス加入を求められることもあったかと。
○ヶ月というのは、これこそ店によってバラツキがあり、次の日でいいという場合もあれば、1か月・3ヶ月・半年なんてところも実際にありました。
なぜこうもムキになって『オプション獲り』をしようとするのかというと、インセンティブにあるわけです。
このインセンティブ、従来は携帯電話の端末(機種)に重きを置かれていたのですが、新規契約の鈍化・2年契約の恒常化であまり旨みがなくなってきたという経緯があり、そうなるとこれまで以上にオプション獲得に重きが置かれるようになっていったのです。
さて、今までも新聞などで異議の出ていたインセンティブがこれほどまでに注視されるようになったのは、やはりソフトバンク。
以前からインセンティブに対して厳しいユーザーが多い中、iPhone 4の予約の際に、ショップよりオプションの『強要』が横行したため、孫社長への抗議のツイッターが予約できなかった旨の抗議と共に殺到。すると孫社長がオプション強制契約者への無償解約を同上で約束しました。
今回の一件で、横行しているインセンティブ目当ての『オプション獲り』が撲滅されるのか。
そうなるためには、オプションを取ることでしか事実上得られないインセンティブの形を別のものに変えないと今回のようなことは再発するのかもしれません。かといって機種からのインセンティブも得にくい今、新規ないしはナンバーポータビリティの獲得台数なのか、キャリアが推奨した端末を売った数で決めるのか、どのようにしてもいたちごっこが起こりかねないわけで・・・。
その昔、私自身もケータイを売っていたことがあり、こういうオプションの付属をお願いせざるを得なかったことがありました。何とも心苦しいと思いながらも、いつしかそういう感覚がマヒし、血眼になったのを覚えています。当時は機種のインセンティブが入る時代だったので、今よりかは大らかな部分もありましたが、それでも短期解約の問題で頭を痛めていたことがありました(それで、誓約書を書かせるという事態になったのですが、これも良し悪しなわけで・・・)。
裏事情がわかれば納得してくれる人もいるでしょうけど、なるべくなら双方痛み分けになるような策はないものか・・・と、今第三者の立場になって思うわけです。
キャリア重視になればユーザー負担が増すことになる。逆にユーザー重視になれば、キャリアが破たんしかねず、ユーザーへ『最後のツケ』というお鉢が回るかもしれない。それゆえに痛み分けが必要なのです。