社会民主党(社民党)の福島瑞穂内閣府特命大臣(社民党党首)が沖縄の普天間基地に対する移設問題で、名護市辺野古(へのこ。以下辺野古)への移設を認めなかったため、同大臣を罷免されることになりました(後任は平野博文内閣官房長官が兼務)。
そこでクローズアップされるのは、社民党の今後。
福島党首が大臣の職を追われた場合は、連立離脱も視野に入れていたとのこと。しかしながら、社民党内には連立離脱強硬論もあれば、ここはひとまず与党に残るべきという意見もありまして・・・。
仮に連立残留の場合、間接的に辺野古への基地移転を認めたことになり、社民党を支援している沖縄の有権者には大きな失望を受けるとともに、特に沖縄での民意を獲得することは非常に困難になる可能性が高いです。
このことは党勢の激しい衰退を招くことになり、参議院が改選選挙とはいえ、その打撃は大きいものと考えられます。またこれから先に行われる衆議院議員選挙にも影を落とすのは必至です。
逆に仮に連立から離脱した場合、沖縄からの支持は繋げられるのかもしれませんが、やはり党勢が落ちる可能性も否めません。連立離脱を行えば、与党としての旨味をなくすばかりか、7月に控えている参議院議員選挙への対策が間に合わなくなる(早い話が与党としての実績もアピールできなくなるばかりか野党としての戦いも中途半端になる)からです。
実際、社民党は与党としての実績(労働者派遣法改正法案はほぼ通過するといわれている)も積み上げているため、その部分を出せないのは辛い部分でもあります。
この離脱は民主党にも大きく、現状は過半数を取れていても、7月の参議院議員選挙の結果いかんでは、過半数を割り込む可能性があるため、少しでも支持する政党を留めておきたいというのが現状でもあります。
さらに、もしこのまま落としどころがなければ、社民党の分裂もありえなくないわけで、その場合、社民党および新党が党としての機能を維持できるのかが疑問視されます(社民党成立の過程で、一部の議員が新社会党として分裂したが党勢が維持できなかったケースがある)。
もしかすると、民主党が突き上げを行って、民主支持派の社民党議員を民主党に引き抜く可能性もなくはないと思っています。このケースは参議院議員選挙後、社民党が惨敗した場合にも考えられます(過去2004年の参議院議員選挙で民主党への合流が考慮された経緯がある)。
閣外協力に留める手もなくはないですが、これも間接的に民主党を支持することになるため、民意の支持は難しいでしょう。
社民党がどの道を歩むのかは、辻元国土交通副大臣の動向と5/30に開かれる全国幹事長会議の流れで決まっていくと思われますが、いずれの道を選んでも、いばらの道が待っているというのが大方の見方ではないかと思います。