2010年05月28日

残留か離脱か、はたまた・・・

社会民主党(社民党)の福島瑞穂内閣府特命大臣(社民党党首)が沖縄の普天間基地に対する移設問題で、名護市辺野古(へのこ。以下辺野古)への移設を認めなかったため、同大臣を罷免されることになりました(後任は平野博文内閣官房長官が兼務)。

そこでクローズアップされるのは、社民党の今後
福島党首が大臣の職を追われた場合は、連立離脱も視野に入れていたとのこと。しかしながら、社民党内には連立離脱強硬論もあれば、ここはひとまず与党に残るべきという意見もありまして・・・。


仮に連立残留の場合、間接的に辺野古への基地移転を認めたことになり、社民党を支援している沖縄の有権者には大きな失望を受けるとともに、特に沖縄での民意を獲得することは非常に困難になる可能性が高いです。
このことは党勢の激しい衰退を招くことになり、参議院が改選選挙とはいえ、その打撃は大きいものと考えられます。またこれから先に行われる衆議院議員選挙にも影を落とすのは必至です。

逆に仮に連立から離脱した場合、沖縄からの支持は繋げられるのかもしれませんが、やはり党勢が落ちる可能性も否めません連立離脱を行えば、与党としての旨味をなくすばかりか、7月に控えている参議院議員選挙への対策が間に合わなくなる(早い話が与党としての実績もアピールできなくなるばかりか野党としての戦いも中途半端になる)からです。
実際、社民党は与党としての実績(労働者派遣法改正法案はほぼ通過するといわれている)も積み上げているため、その部分を出せないのは辛い部分でもあります。
この離脱は民主党にも大きく、現状は過半数を取れていても、7月の参議院議員選挙の結果いかんでは、過半数を割り込む可能性があるため、少しでも支持する政党を留めておきたいというのが現状でもあります。

さらに、もしこのまま落としどころがなければ、社民党の分裂もありえなくないわけで、その場合、社民党および新党が党としての機能を維持できるのかが疑問視されます(社民党成立の過程で、一部の議員が新社会党として分裂したが党勢が維持できなかったケースがある)。
もしかすると、民主党が突き上げを行って、民主支持派の社民党議員を民主党に引き抜く可能性もなくはないと思っています。このケースは参議院議員選挙後、社民党が惨敗した場合にも考えられます(過去2004年の参議院議員選挙で民主党への合流が考慮された経緯がある)。

閣外協力に留める手もなくはないですが、これも間接的に民主党を支持することになるため、民意の支持は難しいでしょう。


社民党がどの道を歩むのかは、辻元国土交通副大臣の動向と5/30に開かれる全国幹事長会議の流れで決まっていくと思われますが、いずれの道を選んでも、いばらの道が待っているというのが大方の見方ではないかと思います。



Posted by alexey_calvanov at 21:40│Comments(4)TrackBack(0) 真面目なモノ 

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この記事へのコメント
やすやすさん>閣外よりも連立維持のほうがしっくりくると思っています。

閣外の場合は、言いたいことが言えなくなるという側面もあるので、法案を出しても聞き入れてくれるかというのが・・・。
例えば、閣外の新党日本は、(議席が少ないというのもありますけど)モノを言っても響かないという現状がありますし。旧政権の連立与党だった改革クラブもまたしかりなわけでして・・・。

社民党の中では党首の行動はどっちとも取ってるでしょうね。
英雄ともヒステリックとも・・・。
Posted by アレックス at 2010年05月29日 02:48
薔薇十字さん>民主党は自滅しかかってもいるんですけど、どこまで地力が出せるかという側面もあるんですね。
地道に様々な組織との関係を構築したり、自民党を支持していた組織をやめさせたりと、意外に民主党の組織力の構成を進行させ、逆に自民党の組織力の崩壊を進行させています。

支持率で逆転したとは言うものの、自民党が何もできない限りは民主党を脅かすのは難しいでしょう。

個人的には、第三極がどうなるかだろうと。今のところみんなの党が優勢ですが、その通りになるでしょう。
有権者が二大政党制にかなり辟易していた場合、社民党が第三極化してもチャンスがないわけではないですけど、相当厳しいでしょうね。

まぁ、民主党の今後は小沢幹事長と鳩山首相次第でしょう。この2人に対して『反乱』ができれば、民主党にも芽はあります。
Posted by アレックス at 2010年05月29日 02:43
こんばんは
社民党は引く(連立離脱)か残る(閣外協力)かの二者択一を迫られたようですね。
大臣罷免をかけてまで辺野古への移設に反対した福島みずほさんの勇気ある行動に、とりあえずは拍手を送りたいですね。
このことで、連立政権崩壊ということにならなければ…
Posted by やすやす at 2010年05月29日 00:56
こんばんは
ミンスは、ついに自滅の引き金を引きました。
詳細に分析された今後の展望には、読み応えを感じました。
Posted by 薔薇十字 at 2010年05月28日 23:44

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