2010年04月26日

こっちの自民党には頑張ってほしい

自民党と聞くと、長年与党として引っ張ってきた政党、最近では内紛続きでガタガタ・・・という印象しかないのかもしれないですが、それはあくまで日本の話
今回取り上げていくのは、イギリスの自民党


イギリスというのは、社会科の授業で習ったかもしれませんが、二大政党制の国労働党と保守党による政治体制が引かれていて、世界の政党政治のお手本とまで言われてきました。

とはいうものの、イギリスにも少数ながらそれ以外の政党があり、厳密には二大政党制ではないのです(本当の意味で二大政党制は、主なところではアメリカが挙げられる)。その少数政党の一つが、今回取り上げる自民党こと自由民主党


元々は、1981年にホイッグ党からの伝統を持つ自由党と労働党の一派が離脱して作った社会民主党が選挙協力のために合同したのが始まり。しかしながら、その頃は二大政党制が隆盛を極めていたのと、小選挙区制度(これはイギリスでは現在も続いている制度)のために思った以上に議席を伸ばすことができずにいました。そのために、更なる党勢の拡大のために両党が合併したのが現在の政党の始まりになります。

とはいうものの、その後も党勢の伸び悩みが続き、やっと党勢の拡大の胎動が起こったのは、1997年、労働党との連携を行い始めてから。ただ、その際は労働党も大勝したために距離を置いたものの、それ以降は第三極として存在感を増し、地方選挙では得票獲得で第一党にもなったほど

そして近年、イギリス議員の幾人かが係わった不正経費請求事件(政府が支給する経費で家具や紙おむつなど私的なものを買っていたとされる疑惑)が起こり、特に与党の労働党と野党の保守党は大打撃になったわけです(決して自由民主党の議員にもなかったわけではないが、被害は最小限に留めている)

そして、今年の下院選挙。今回初めて行われたテレビ討論で、自民党が既存政党への決別を訴え、支持率がその既存政党と拮抗するという結果になり、状況によってはどの党も過半数が取れない(ハング・パーラメント(宙ぶらりん議会)の)状態になるとされています。


個人的には、イエス・ノーでしか決められない二大政党制には懐疑的で、ともすれば極論に進むのではないかという危惧さえあります。いくら政治が成熟している国家とはいえ、第三極なり複数の野党なりが疑問を呈し、査定して互いの妥協を図るのが本来の政治の在り方なのではないのでしょうか。
そのためにも、第三極になる自民党が躍進し、その存在感をさらに際立たせた方が、これからの国会運営が不安定になっても、よりよいものが生まれるきっかけになるのではないかと思います。


日本では、イギリスの下院にあたる衆議院では、民主党が巨大な与党になり、自民党が約2/7、その他政党が全体の約1/7を分け合うというふうになっていますが、日本の場合、二大政党制が確立すれば、こういう巨大与党や極論法案がまかり通るふうになり、実際そうなっている節があります。
今回の参議院選挙にも思うことですが、極論のツケが民主党の政治のブレにも繋がっていると思いますし、また自民党のなし崩しになっていると思えてなりません。


今こそ、多党制の利点を見直すべき時期になっているのではないのでしょうか。その点でもイギリスの自民党の躍進に期待したいものです。



Posted by alexey_calvanov at 23:00│Comments(0)TrackBack(0) 真面目なモノ 

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