春の新アニメ、7回目は週刊ヤングサンデーおよび週刊ビックコミックスピリッツで最近まで連載していた「RAINBOW -二舎六房の七人-」です。
戦後の一時を過ごした少年達の人間ドラマで、原作はあの安部譲二さん。
実話を基にした「塀の中の懲りない面々」で有名になった作家で、かつては「おもいッきりテレビ」のコメンテーターとして登場していた時期もあったので、ご存知の人もいらっしゃるかと。
あらすじはこう(以下イタリック体で表示)。
昭和30(1955)年、戦後の傷がまだ癒えきっていない時期。神奈川県にある湘南特別少年院には、様々な罪を犯した少年達がやって来る。
その中の二舎六房にも、6人の少年達が送り込まれる。彼らは一般人の乗るバスに覆面をされているものの一緒に晒し者にされるように乗せられ、入所の際には全裸にさせられた上に体内検査までされ辱めの限りを受ける。
堕ちるところにまで堕ちた6人。そして『先輩』と称された受刑者にぞんざいな対応をされたことで憤り、自らの境遇もあってこれ以上堕ちたくないという意識から、彼らは『先輩』にケンカを吹っかける。
しかし、ボクシングの心得のあった『先輩』にあっけなくやられ、自暴自棄になる彼ら。しかし、看守に見せしめのために『先輩』が殴られるのをきっかけに、彼らは『先輩』をアンチャンと慕い、彼を中心に団結していくのだった。
というふう。
まぁ、作品内容は恐ろしいほど地味。ただ、地味ながらも作品のデキはよく、作中に出てくる理不尽さ、戦後の厳しさはひしひしと伝わってくるいい作品です。この作品はまさに深夜にやるにふさわしいアニメとも言えるかもしれません。
地味な作品ながらも、キャストは意外に豪勢。主人公になるマリオに小栗旬さん、ヒロインの一人になる節子には貫地谷しほりさん、そしてナレーションは林原めぐみさん。特に林原さんは「ザ・ノンフィクション」(注:フジテレビ系列で放送されているドキュメンタリー番組)などでナレーションをやっているからか、聞いてて重みがありますね。ちなみに、アンチャンは小山力也さんがやっています。これもすごい。
ただ、次回予告の後にやる「さたけWukipedia」のあまりのライトっぷりに別の意味で涙が止まらないのは何でだろう(苦笑)。