なお、「けいおん!」の舞台とは何ら関係がない(爆)。
その場所とは、滋賀県大津市にある。
膳所(ぜぜ)というところで、京阪電鉄石山坂本線に乗り換え、膳所本町で降りたすぐのところにそれはある。

一見何の変哲もない食堂だが、関西圏の人間にこの名前を告げれば、誰もが恐れるという噂のある食堂でもある。そのあたりはまとめて後で書いていくので、まぁ焦るな(笑)。
店は休みというのもあってか繁盛していて、すぐに座れたのが奇跡なくらい。見た目通り小ぢんまりとした食堂で、古くからあるのだなという印象も受けるくらい。
この食堂では、水はセルフサービスなばかりでなく、メニューの記載もセルフで行わなければならない。ただし、あらかじめ決めていた場合、メニューを記載するメモを置く際に告げれば、記載してくれる(まぁ、それが普通なのだが(苦笑))。
もっと言うと、メニュー表にありながら作れないものも散見されるという(理由は後述)。
何を頼もうか、下調べの段階も含め、入る前から悩んではいたが、「美富士食堂へ来たらカツ丼を食べるべし」という記載があったような気がする(笑)ので、あまり卵とじ関係は好きではないのだが、カツ丼を頼むことに。
しかし、待てど暮らせどなかなか来ない。私より後に頼んだはずの焼そばやカレーなどは思った以上に早く来ているのだ。まるで私は忘れられた存在なのかのように。
それもそのはず、この食堂を切り盛りしているのは(私が見渡した限り)たった3人。しかもいい歳したおじいちゃんおばあちゃん(とはいっても60代くらいで、よぼよぼの・・・というふうではない)なのである。
特に厨房はおじいちゃん1人でやっているので、手が回らないのだ。
1人でカレーやカツ丼やカツを揚げていたりハンバーグを焼いているetc・・・と思われるが、そう思うと遅れるのも致し方ないとも。そのため、メニューに書いてあってもできない・・・なんてことが散見されるのだなと妙に納得。
仕方ないので、腹を減らしながらも周りを見ていると、まぁすごいわ。知ってはいたが、想像以上のものだ。頼んだものが来るたびに歓声とも驚嘆とも取れる声が聞こえてくる。初めて来たものは、私も含めそれを写真に納める。
そんなこんなで、テレビを見ながら食堂内ウォッチをすること約40分(大げさでなくホント)。遂に私の注文したカツ丼がやって来た。
それがこれだ。驚かずに見てほしい。

一言言っておくが、これは大盛りではない。これで並である。
さらに言おう。これは食品サンプルでもない(爆)。
既に知ってはいたが、これほどとは・・・。思わず息をのんだのは間違いない。
そう言っていてもらちが明かない。思い切って食べることにする。
最初は、腹が空いているからかイケるんじゃないかと思えるくらいに進んでいったのだが、半分くらいに達したところで、思いっきりペースダウン。それより前にカツが邪魔でご飯が減らねぇ(爆)。仕方ないので、取り皿にカツをよけてかきこんでいたのは内緒だ。しかしそれが思わぬ誤算を生むことになるとは知る由がない。いや知っててもムリ(ニヤニヤ)。
とにかくご飯が減らない。いくらかきこんでも底が見えないのだ。そのうち箸が進まなくなり、水に手が伸び・・・となる。さらにカツを食べようとすると、カツから出る脂(肉汁)でうっぷとなるのだ(ホント)。
前述のペースがだんだん逆転(水の消費が増えだ)し、苦しくなる中でも、ご飯だけ完食。しかし、まだカツが3・4切れ残ってた(核爆)。
しかしここまで来たら苦しんででも。頼んだからには・・・という思いが勝り、何とかして完食。実に待たされた時間と同じくらいの時間で食べきっていた(ギャハ)。
まぁ、ここはお腹いっぱいで食べきれないという人が多いために、別売(10円)でプラスチックパック(持ち帰り用のビニール袋付)に詰めて持ち帰る、つまりドギーバックができるようになっているのだ。
確かにこれは便利なのだが、私が食べていたカツ丼は、汁を含んでいるものなので、中々それができない。汁を含んだものは後から汁が出てきてこぼれかねないですからね。
で、何でこんなにアホみたいに盛っているのかというと、この美富士食堂の近くに膳所高校という学校があり、そこの学生が頻繁に利用していた。彼らは運動部で体を動かしてきた後で非常にお腹をすかせていたので、いつの間にかあんな盛り方になったとのことらしい。
そのことを知ってか知らずか、ある人がABCテレビの「探偵!ナイトスクープ」で書いたのがきっかけに全国的に知られ、また関西圏の他の番組でもしばしばその盛り付けで注目されるようになっていったのだ。
・・・その経緯を知っていたので、私のそばで仕事の休憩でお昼ご飯を食べに来た作業員風の2名の一人が、素うどんにカツ丼、それに鶏の唐揚げを頼んでいたので、「ああ何てことを。それはいくらなんでも自殺行為」と思わず口走りそうになったが黙ってた(ニヤニヤ)。
なお、味に関しては文句なし。関西風の薄味ではあるが、まずいということはなく、量が適正であれば、非の打ち所のないものである(苦笑)。ただ口直しのたくあんがものすごくしょっぱい(爆)。
また上記の経緯があることから、シェア(1人分のものを何人で分け合うこと)はできないとされている。しかしながら1人1つ頼めば、それをシェアするのは問題ないらしい(現に焼そばを頼んだ女子高生達がそれでシェアしていた)。この点は名古屋にある喫茶店「マウンテン」と似たシステムである。
あまりの腹の膨れ具合にうっぷうっぷとなりながらも、次の目的地京都に向かうのであった。

京阪電鉄で走っているラッピング電車。今流行の坂本龍馬。まぁ京都が近いからねぇ。