どういう経緯が発生してこうなったのか非常にわかりにくい話かつ非常に不快な部分もあるかと思うのですが、今回の件は今後の表現の自由という部分においてとても重要になってくるので、敢えて掲載していこうかと思います。
一言で言ってしまえば、陵辱(りょうじょく)系といわれる作品が発売禁止になるかもしれないということです。
そもそも陵辱系というのは、いわゆるエロゲーの一種で、古くからあるジャンルの一つではなかったかなと思います。
その祖になった作品は何だったのかは不明ですが、ずいぶん昔からあった作品であることは確かです。
で、今回禁止のきっかけになった作品は、陵辱系の作品で2006年に発売になった「レイプレイ」というもの。痴漢行為を通報され捕まったものの、父親の働きかけで釈放。その後その通報した女性とその家族(女性の妹と母の母子家庭という設定)に復讐するという内容のものです。
内容が内容なだけに詳細な表記は避けますが、女性蔑視および軽視な内容なのは火を見るより明らかです。
この作品は日本国内でのみ販売だったのにもかかわらず、イギリスでもネット販売で買えることが議会で問題となり、それがきっかけで国際団体からの圧力が強まることにもなりました。その国際的圧力に耐え切れずマスコミが大々的に報道するに至ったわけです。
前々から言っていることかもしれませんが、児童ポルノに対して断固たる姿勢を取るのは決して反対ではありません。よく聞く話だと、東南アジアまで行って幼女漁り(買春)をする中年日本人の話があります。今議論されている児童ポルノ法も元々はこの行為を規制することに端を発したものだったと思います。
それなのに、短絡的に、例えば「幼い格好をした作品があるから規制しよう」「幼いのにこんないやらしい格好しているから見せてはいけない」という発想になっているのではないかと危惧しています。
確かに陵辱系の中には行き過ぎたもの・犯罪を助長しかねないものもあるかもしれません。ただ、本当にそれが実際の犯罪に結びつくことは極めてまれで、あくまで空想(想像)上の産物にまで規制を及ぼす理由がわからないのです。
基本的にリアル社会で行われる児童ポルノ行為に関しては規制すべきです。
ただ想像上の産物にまで規制するのはいかがなものかと思います。あくまで想像上で生み出したものはリアルな世界で生まれたものとは違うのです(想像上のものにも人権があるというある意味矛盾したことを言う人までいますが・・・)。
ただ、それにあぐらをかくのではなく、想像上のものでも悪質なものであれば規制を促していくべきですし、陵辱行為がいかに人間性を破壊するものであるか、ひいていえば児童ポルノ行為を否定する教育をもっと施すべきなのではないのでしょうか。そして一部の人間が起こした犯罪に対しては重い罪を与えるべきだと思います。
今回の件で、間違いなく陵辱系がラインナップの中から(一時的なのか恒常的になるのかは不明ですが)消えることになるでしょう。ただ、これがきっかけでこの手のジャンルがアングラ化してますます手におえないことになるほうが危険だと思いますね。