2009年05月10日

激変を感じる今週のケータイ端末売上ランキング

「ITmedia +D Mobile」が毎週金曜に出している携帯販売ランキングとPHS&データ通信端末販売ランキング。その4/27~5/3付、つまりゴールデンウィーク前半のランキングで大きな異変があったのが話題になっています


携帯販売ランキングでは、毎週必ず入っていたauの端末が初めてランク外になったことでしょうか。
これまで勢いが落ちてきたとはいえども、必ず総合トップ10には入ってきていたauが遂に『陥落』したのです。

auの端末は現在デザインケータイのG9が発売しており、先々週の登場時には総合ランク1位を取るほどの人気機種。しかし翌々週の今週にはその『神通力』が失せてしまったのです。
元々au design project時代から言われていましたが、発売週から数週間で欲しい人には行き渡ってしまい、すぐに売り上げが急降下・・・という事例が今回も噴き出したということです。

いかんせんデザインケータイの欠点というのは、「デザイン優先・機能は度外視」に尽きるわけです。
デザイン機能を優先させるというのはわからなくはないですが、今のauに必要なのはデザインではなくドコモやソフトバンクに負けないくらいの充実した機能ではないのでしょうか?
現状一番気になるのは「機能的制限が加えられているパケット定額制」ではないのでしょうか?平たく言えば、パケット使い放題になっているのに、(動画の再生能力など)機能が制限されているために十分発揮できていない、という意味です。
また独自の機能を追いかけるよりも、むしろ制限を加えられている部分の撤廃が一番ではないのでしょうか?よく挙げる例ですが、ニコニコ動画が手回し式ラジオになっているとかYoutubeが分割でないと見えないというのは何かと不便です。技術的に難しいとはいえ、(現状ガタガタの)KCP+のメドが立てば、不可能ではないと思いたいものです。

そしてもう一つやるべきことは、「ベストセラー端末」が増えることではないのでしょうか?
高くても欲しいという端末を作らないと、この先厳しいでしょう。
今EXLIMケータイW63CAが1位みたいですが、結局値下げに次ぐ値下げで売れている機種。これが売れているのは、ほぼ全部入りといった要素がある割に値段が安いという部分だけです。
とかく、今の機種の売れ方は、ゲームの売れ方で例えれば、発売から数週間でドカンと売れて、その後尻つぼみという欲しい人にしか売れない、いわゆるギャルゲー的な売れ方みたいなものです。
これをポケモンやドラクエといった長い間じっくりと売れていく売り方にするために今やるべきことは、メーカー間の制限(この会社はエントリーモデルだけ、この機種はハイエンドモデルだけという制限)を撤廃して、自由に作らせてauが選定のためのプレゼンを仕掛けること。テーマや欲しい機種はau側が選定していけばいいわけです。そして充実した販売層に合わせたモデルを販売していけば、おのずとよく売れる機種ができていって、やがてベストセラー端末が生まれるのではないのでしょうか?期間は長く即効性は薄いですが、中長期的な目で見れば、効果のあるものと思います。


PHS&データ通信端末ランキングでは、ソフトバンクのデータ端末機種が3位に入るという躍進を見せました。
これまでデータ通信ではイーモバイルのほぼ独壇場その中で残ったわずかなパイを元から強かったものの最近は通信速度で大きく水を開けられているウィルコムとイーモバイルと同じ通信方式でエリア充実化で最近本腰を入れ初めたドコモで分け合っているというふうになっていました。ソフトバンクもイーモバイル・ドコモと同じ通信方式なものの、通信速度が遅かったこととインフラ整備が後手に回っていたのと、データ通信には消極的だったために、ランクインすること事態滅多になかったわけです。
ところが、ソフトバンクが新しく出したUSBタイプのデータ通信端末C01LCで、イーモバイルと組んで作られたのが功を奏したのか、初登場以降じわじわとランクを上げて今に至ったわけです。

元々ソフトバンクがイーモバイルにMVNOを組んだこと事態『通信事業者失格』なのに、イーモバイルの『ドーピング』で順位を上げているだけでしかないのに、これだけ騒ぐのが甚だ疑問です。
ソフトバンクは早く新しい通信方式にも耐えられるネットワークを構築するべきです。これ以上かりそめの姿でランキングを荒らしてほしくないものです。


今週の金曜日にはゴールデンウィークの後半戦のランキングが発表されますが、この2キャリアの動きが気になるところです。




Posted by alexey_calvanov at 21:14│Comments(0)TrackBack(0) ケータイ系 

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