任期満了に伴う名古屋市長選挙が4/12告示されました。
今回の知事選挙の特徴は、
・いわゆる『与野党相乗り』が解消され32年ぶりの全面対決選挙。
・国政選挙の縮図の様相を呈している(つまり、どの候補が勝つかで、現内閣の信任度合いと国政選挙(衆議院選挙)の行く末が占えるからです)。
というところでしょうか?
・・・とここまで2年前の県知事選挙のカーボンコピーができるとは思わなかった。
奇しくも32年ぶりと国政選挙を占う意味で重要というのがピタリと合うとは・・・。
違うのは、現職の引退と任期満了に伴うものというところか?
候補者は4名(公平さを期すために候補者名は以降伏せます)。
届け出順で、愛知県商工団体連合会(愛商連)会長・全国商工団体連合会(全商連)副会長(名古屋市議会の政党革新市政の会と共産推薦)、元愛知1区の衆議院議員(民主支援)、中京大学経済学部教授(自民・公明支援)、無所属のアルバイトの男性。
最後の候補者を除いて、三者三様のマニュフェスト(政権公約)が掲げられており、県知事選と同じガチンコ選挙になる予想が立てられます。
今回の選挙で大きく変わったところは、候補者の顔ぶれ的には、先述した「現職の引退と任期満了に伴うもの」という点ですが、周囲を取り巻く環境はがらりと変わりました。
まず、経済状況。
かつては日本一元気な地域として持ち上げられていた名古屋は、日本で一番元気のない地域に成り下がってしまいました。特に深刻な派遣切りと中小零細企業の操業休止・倒産は類を見ないほどだと言います。その状況下をいかに克服打破するか、いかに雇用の創出を導き出すかが大きなポイントになっています。
そして市の財政。
先述の深刻な状況から市の財政もかなり逼迫しており、国から資金援助をしていただかないといけないレベルにまで達していると言われています。その中で、市民税(収入)のカットが正当なのか、はたまたカットせずに重点的に回すところを変えていくべきなのかが争点になっていくのかもしれません。
市政に絡む点でいけば、福祉事業(名古屋市の敬老パス問題・社会福祉の財源問題)や教育関連(保育園の民営化)を手厚くするのか、それとも本丸御殿のような一大プロジェクトにも均等に配分していくのかも大きな焦点になっています。
今回名古屋市長選挙、2年前の県知事選挙よりも俄然注目が集まっている点として、『外野』の動向もあると思います。
今回自民・公明は(不正な点の多い)千葉・秋田で連勝しているだけに、ここで彼らの推す候補が勝って、5月中の解散になだれ込みたいという思惑があるのではないかと考えています。逆に民主にとっては負けられない戦いになっており、ここで人気のあるとされる候補者を担ぎ出しても負けるということになれば、小沢代表の進退問題がいよいよ危なくなっていくのではないかと考えています。
今回民主の推す候補が勝てば、与党は解散に打たず東京都議会選挙の後まで引きずり、都議会選挙の結果を見て解散か、結果が思わしくなければ任期満了までもつれ込むという「じらし作戦」に出てくる可能性もあります。
共産系の候補が勝った場合(これを挙げるのは、昨今の共産系の勢いが無視できない状況であるのと、本山元市長が旧社会・共産から推された候補というのもあるため)、与野党どちらにも失点にもなるわけですが、やや野党に優勢に傾くのではないかと思います。しかし決定打にはならないとも考えているので、こう着状態が続くと思います。
この時、有権者が候補選びで、バックホーンを見る際のキーワードが「西松事件」・「偽装ダイレクトメール事件」・「市民派・無所属」になると思われます。
「西松事件」は言わずもがな、小沢代表の秘書が絡んだとされる事件です。これで民主が大打撃を受けており、民主の推す候補は、最初それの件でのお詫び行脚に走ったとされます。そんな中、同じ名古屋の選挙区の議員が絡んで発生した「偽装ダイレクトメール事件」が出てきました。
この事件は、名古屋南部を地盤に持つ牧衆議院議員が、障害者団体を隠れみのにベスト電器のダイレクトメールに使った事件に一枚かんでいるのではないかとされるからです。同じ民主議員の失態なだけに、状況次第(最悪なのは議員秘書逮捕)では大きな失点になりかねないと思います。
そして「市民派・無所属」という点。
実は三者共政党のバックホーンが大きく見え隠れするわけですが、その中でも顕著なのは与党の推す候補者。市民派と政党系事務を使い分けているというある意味狡猾な手段で、『クリーンな市民派』を演出しているのが気に入らないかつ気になるところです。
ちなみに、この候補は、現職の市長と県知事のお墨付きをもらっているので、ある意味『無所属・市民派』を名乗るのもおこがましいと思いますが・・・。
また野党系で一本化調整ができなかったのも大いに気になるところです。割れることで、2年前の県知事選挙のように、与党系の推す候補が漁夫の利で勝つ可能性も否めません。
投票日は4/26です。
何度も言っていますが、貴重な一票です。
ふざけて自分の名前を書くとか、好きな野球やサッカーチームの監督を書くとか、はたまた適当に選ぶとか言う輩(その中には今年50になる人間が本気で言っているのだから信じられなかった)もいるそうですが、何かしらの意見を述べるある意味神聖な場をそういう形で汚してもらいたくないです。
そういうことを言う人達は、いかに自由選挙を得るのに先人は苦労したのかを絶対に考えて欲しいのです。
棄権も一つの手です。しかし、棄権することで「あああの時こうすればよかった」というのだけは辞めてもらいたいものです。
今回は(一本化調整していくべきという考えとは矛盾しているかもしれませんが、敢えて書きます)きちんと受け皿は三者三様で用意はしてあります。100%ではなくとも、どこかでシンパシーを感じる候補者がいるのではと思います。