1990年代に「時代の寵児」としてもてはやされ、カリスマゲームクリエイターの名をほしいままにし、その圧巻な体格に物怖じしない物議を醸した言動に対して様々な言われ方をした人でしたが、2000年代に突然業界から姿を消し、コカコーラの自動販売機にあるCmodeの立ち上げなどのITソリューション分野に転身していたイノケンこと飯野賢治さん。
そんな彼が、もしかするとゲーム開発に戻ってくるのではないのかというのをこれまでまことしやかにささやかれていたのですが、ここ最近、その飯野さん自身がその噂に応えるかのような発言をブログ上でしたことが大きな話題になりました。
2月末には、「Get back, get back. Get back to where I once belonged.(戻ってくるぞ、戻ってくるぞ、かつていたところに戻ってくるぞ。)」という文言と共に、3/25をグーグル検索できるようになっているという謎の仕掛けが施されていたり、3月に入ると、自身が9年ぶりに戻る旨の発言とサンフランシスコのモスコンセンターがグーグルマップで検索できるような仕掛けが施されていたそうです。
このことから、『イノケンゲーム業界に復帰』というのが現実味を帯びてきた最中、アメリカのディベロッパー(開発業者)の見本市であるGame Developers Conference(GDC)が3/23から行われました(先述の3/25はその開催期間中を指している)。
そこで、任天堂の基調講演が行われ、その中で飯野さんがプロデュースした作品が発表されたのです。彼は本当に戻ってきたのです。
そのイノケンプロデュースの作品「きみとぼくと立体。」は、今日(3/26)にWiiウェア(価格は1000Wiiポイント)から発売されました。
内容は立体アクション。
空間上にふわふわ漂うキューブにバランスよくニンゲと呼ばれる人型キャラを制限時間内に何体か乗せて、一定時間落ちることなくポージングが取れればクリア(条件達成)になるという作品。ステージが進むごとにキューブもアンバランス感が増しかつ乗せるニンゲの数も増えていくことに。シングルプレイだけでなく、2人プレイもできるようです。
まぁ、わかる人にはわかると思いますが、ふわふわした空間にイナバ物置があって、そこに100人乗せても大丈夫にできるかどうかというふうですね(笑)。
ちなみに、大丈夫じゃないとこうなる(爆)。
あのカリスマクリエイターの持っていた何かのアンチテーゼや突き抜けた感は全くなく、実にマイルドな作品になっています。その変わりようはまるでエコールのゲームのようだ(苦笑)。そうさなぁ、「ぱっぱらぱおーん」から「デスクリムゾン」に、そして「ムサピィのミラクルチョコマーカー」へ変貌を遂げたかのような。<おいこら、一体何人がついて(以下略)。