2009年03月16日

PS2ソフトへの開発エネルギーはどこへ行く?

以前、このようなことを触れていたかと思います。


(4月以降PS2ソフトのラインナップは減っている件について)これまでコスト面で安価・開発がしやすい(作り手がこなれてきている、もしくは開発のノウハウが形成されてきている)ことから、主にギャルゲーの移植やアニメ作品の展開などで制作・発売されてきましたが、さすがに次世代機の流れが主流になってきたことや携帯ゲーム機の隆盛から、PS2のアドバンテージが薄れていったものと推測しています(ちなみに、そのPS2に流れていたエネルギーが主にどこに行ったのかといえば、次世代機でもDSでもなく意外なことにPSPだったりする)。


なぜこう思ったのかというのを順に触れていこうかと思います。


まず、次世代機、ここでいうところの新世代機にベクトルが行かない理由なんですが・・・。
まず、親和性の高いはずのPS3は、まだまだ開発ツール(有名どころだとミドルウェア)のライブラリー化(共有して使える部分)が整っていないのではと思います。その最たる点でいうと、開発費の高騰が挙げられるでしょう。

新ハードになると、どうしても共有化や新しい部分の制作にカネがかかります。そのために、ハード単独ではなく、マルチメディア展開してそのリスクをペイしようという流れが強くなってくるわけです。昨今のマルチメディア展開は、ハードの支配率が割れているだけでなく、開発費というのもネックになっているわけです。


同じような理由で、X様ことXBOX360も開発の主流になっていません。ましてや日本では好事家向けハードのレッテルがひどいだけに、作り慣れた人達が集まらない限りそう開発のメインにはなっていきません(ただ、海外の展開がある場合は大いに変わってくる)。


じゃあ、開発費の安い・しやすいといわれている任天堂系ハードはというと、逆に開発のしやすさが仇になっているわけです
いろいろなものを詰め込みたくなるために開発時間が長くなる、もしくは色々詰め込みすぎたがためにバグの修正に手間取る・・・といったことが散見されてしまう事態が起こって遅々として進まないというのが一点。
もう一点は、特に日本の場合、対象年齢が低すぎるため、現在PS2で作っているギャルゲーや思考系ゲームのメインストリームであるハイティーン層に弱いため、そこに力点を注ぐのは、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(略称PPM。多種類もしくは複数の事業を生産・製造・展開をしている企業が、戦略的な観点から見て、経営資源配分を最も効率的で有効的な製品・事業の組み合わせだと決めるための管理手法)から見るに、まだまだ「問題児」でしかないわけです(要は、つぎ込んで成功すれば「花形(スター)」になるが、失敗すれば「負け犬」になってしまうことになりかねないわけです)。


で、そうなると残っていたのはPSP
PSPは携帯ゲーム機でありながら、開発ベースはPS2とほぼ同じで、使いまわしも効く。その証拠にPS2からの移植が多い。
ましてやPS2に比べても開発費が低く、PSPでの新規製作にも応用ができ、また力点を一時的に注ぐことができる
さらに、PSP自身、当初はDSに押され「負け犬」に近い状態だったんですが、ここ最近は、開発ノウハウが熟してきたのか、DSに近いレベルのクオリティ作品が増えてきて、地道な新色・新型効果も相まって、「問題児」にまで上がってきました

これから成長に期待が持てるハードでかつPS2のノウハウが生かせるならば、PS2の開発ベクトルがPSPに注がれるのが最も自然な成り行きになってくる、以上がそう思った理由です。


これから先、勢いの付いてきたPSPに目が離せないです



Posted by alexey_calvanov at 22:37│Comments(0)TrackBack(0) ゲーム系 

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