日本では10/30にSCEから発売予定のPS3ソフト「リトルビッグプラネット」の中に不適切な表現があったということで、同じ時期に発売予定だった欧米の発売を最大1週間以上延期するということがNHKなど一部報道で発表されていました。
問題になったのは、イスラム教の聖典コーランの一節が同作品のBGMとして使われていたという点。宗教上の問題を避けるために、SCEと制作会社がお詫びを出し、冒頭のとおり、欧米では発売延期による修正。日本では発売日は変わらないものの、早急な修正を図ることになったようです。
コーラン関連で問題になった作品としては、同じゲームであれば、2003年元旦にマイクロソフトより発売されたXBOXソフト「格闘超人」で今回の件と同じように、コーランの一節が流用(アレンジ)されたことが発売数ヶ月後に発覚。全製品回収および以後の販売中止に至る事態にまで発展しました。
また最近では、「ジョジョの奇妙な冒険」のOVAで、コーランの一節が転写されていたことがわかり発覚後の同作品が収録されたOVAの販売を休止。また原作でもモスクに対する不適切な描写が原因で販売休止になっている状態。
どちらも未だに再販のめどが立たないふうになっています。
「リトルビッグプラネット」は、ヨーロッパのゲーム会社が制作した自由にステージが構成できるポップなパズルアクションゲーム。
オンライン配信されたβ版が好評となり、また東京ゲームショウ内で受賞式典が行われた日本ゲーム大賞フューチャー部門を受賞した作品として話題にもなっていただけに、今回の件は出鼻をくじかれた形になったとは思いますが、SCE自身も日本では本体同梱版まで準備した注力作でもあったため、どうしても発売日が変えられなかったのだと思います。
また今回の件は、世界的に進出する作品だということを全く意識していないクリエイターサイドの考えの甘さも注視するべきでしょう。
世界に作品を出すことが大前提になってきている今のゲームソフト、その国の宗教や考え方・風習にまで踏み込んだ見識がないと、大きな摩擦を起こしかねないことを意識した制作を心がけてほしいものです。
最後に、日本ゲーム大賞フューチャー部門を受賞した時、クリエイターのひとりが「涙が出るほどうれしい」とコメントしていました。
だからこそ、今発売を心待ちにしているユーザーは、ともすればクリエイターサイドのたわいもないケアレスミスで「涙が出るほど辛い思いをしている」ことを忘れないでほしいと思います。
ところで、この件は報道前よりとある情報サイトで話題に上っていただけに、やっぱりなというふうで見ていたのは内緒です。