夏の新機種、今回はウィルコムの新機種紹介です。
ウィルコム自身は機種面でのトピックが多く、サービス面でのトピックは薄めにされる傾向が多いのですが、定額プラン・月賦販売に次いでウィルコムに大きな変化、格安の音声通話つなぎ放題プランである「話し放題」の提供が開始されます。ただ、このプランは、既にサービスを始めている「つなぎ放題」のオプション扱いになり、同じようなサービス体系はイーモバイルの「ケータイプラン」と「定額パック24」との組み合わせと似た形になるようです(ただ、価格面はイーモバイルのほうがまだ安いように感じられる)し、通話だけなら、当然既にあるウィルコム定額プランのほうが安いわけです。
それでも、データカードと音声通話機をW-SIMを介して併用している人にとっては非常にありがたい話。
現状のウィルコムで強みになっているのは、充実した機種ラインナップ。既に地盤を固めている大手3社には及ばないものの、スマートフォンでいけばウィルコムのシェアは7割近いというデータもあり、スマートフォンでの地位は硬いものと推測されます。
また新興のイーモバイルと比べて、圧倒的に機種が充実。カメラ機能や通信速度で劣る面はあるものの、イーモバイルにはないストレートタイプや通話先限定モデルおよび通話先限定プラン対応機があり、その点のニーズはがっちりとつかんでいると思われます。
では新機種2機種の紹介です。今回は両方ともスマートフォンになります。それ以外では、アイスクリーム販売会社ブルーシーズとのコラボモデルのHONEY BEEが登場しますが、機能的な面は同じなので割愛します。
①WILLCOM 03(WS020SH)
ウィルコムのスマートフォンシリーズW-ZERO 3シリーズの最新モデル。今回はキーボード部分が下になるスライドモデル。
3インチのWVGA液晶にタッチパネル機能を搭載。またイルミネーションキーを利用することで、ダイヤルキー(通話用)モードとカーソルキーモードの2種類に変更可能。またウィルコムおよびPHSでは初めてワンセグを内蔵し、またカメラ画素もウィルコムとしては初めてになる200万画素にアップした。
なお、OSはWindows Mobile 6.1 Classic。
個人的感想
やはりスマートフォンとしての完成形を目指すだけあって、これまで不満に上がっていたところが解消されていると思う。
まず、他のW-ZERO 3モデルでは別売扱いだったワンセグが機能として追加されたこと。アンテナ付ではあるものの、非常に大きな一歩だ。
またカメラ機能が200万画素に上がったことで、3インチの大画面でも引けを取らない画像が残せるようになった。さらにオートフォーカスにも対応しているので、今までパンフォーカスで泣かされていた人にはうれしい機能かもしれない。
②WILLCOM D4(WS016SH)
ウィルコムとシャープの共同開発で手掛けたチルト型のスマートフォン。正確な呼称はウルトラモバイルパソコン(UMPC)。
これまでのケータイでは最も大きい5インチのWVGA液晶を搭載。OSは一般的なデスクトップPC/ノートPCで使われているWindows Vista Home Premiumを採用しているが、それに加え、ワープロソフトWord・表計算ソフトExcelのセットが入ったOffice2007とPowerPoint 2007も一緒に入っている。
また本体内蔵メモリ(1GB)以外にも40GBの内蔵型ハードディスクドライブが内蔵されている。
個人的感想
遂に超小型ノートPCとまで言わしめるようなケータイが登場。
OSの中でもややランクが上のWindows Vista Home Premiumと投入したこと、そしてOffice2007とPowerPoint 2007も併せて投入したことは非常に大きい。
確かに総合計で見れば12万以上になっているが、分割ということを考えれば、高くないと思われるし、何よりこの機種で入っている機能が入ったノートPCでも、推測で15万がボーダーラインなのではと考えると、思い切った価格設定だと思う。
後は使い勝手がどこまでよくなっているのかで大きく評価が変わると思う。
また、この機種はチルト式になっているので、手で持ち上げて使うということをしなくても、平らなところさえあれば使えるので、重さで苦痛を味わうことなく快適に使えるだろう。
そして、40GBのHDDも魅力的。共用であると思われるが、それでも数多くの写真や動画が本体に残せるのは、外部メモリの移し変えの手間が省けて便利。
ただ、一つ注意したいのは独特の通話方法。
本体には発話/受話マイクが搭載されていないので、イヤホンマイクをつないで話さないといけなくなり、非常に不便なので注意。専用のダイヤルキー付ハンドセットがあるものの、別売扱いなのでこれまた注意が必要。個人的にはセット内容に含んでほしかった。
次回はイーモバイルの新機種紹介です。