5/6に文化放送で報道特別番組として放送されていた「死刑執行」。
大阪の拳銃強盗殺人事件で死刑が確定した死刑囚が、刑を執行されるまでの模様を秘密裏に録音・編集したテープを刑務官の教育用で聞かせていたものを文化放送の報道部が入手し、死刑執行までの経緯と来年から開始される裁判員制度を鑑み、死刑というもののあり方を考えてもらうという主旨の番組です。
実際、この番組を東京(何かの皮肉か、後に起こったあの秋葉原通行人殺傷事件の現場近くにあるUDXビル近く)で聞いていたのですが、死刑制度について、死刑囚が収容されている場所・執行方法が意外にも(当然私もそれらに関しては浅学なので)知られていないこと、また裁判員制度に関しても、自分が死刑を下すことになるかもしれないということをどう思うかという設問に押し黙ったりする一幕を聞いて、この人一人を裁く(特に極刑を下すという)重さには非常に考えさせられましたし、死刑囚が(昔のものとはいえ)どのような末路を描くのかがわかり、死刑の重さを痛感させられました。特に、執行者・死刑囚との関係がとてもフランクで、互いに不思議なくらい信頼関係を気付いている場合もあるというのを知った時には驚きを隠せませんでした。
その「死刑執行」が、東京以外で初めて名古屋のCBCラジオ(中部日本放送)でネットされます。
放送体系がどうなるのかは不明ですが、恐らく5/6付放送をほぼそのまま流すことになるのだと思います。
一部では、死刑反対論者の報道管制だとか死刑反対制度を助長しようとする放送局の企みだとも言われていたようですが、死刑制度賛成派も同じく反対派も、一度死刑というものがどういうふうに行われているのか、死刑囚およびその遺族や刑の執行に携わった人達はどのような心境だったのかを垣間見る数少ない機会だと思います。