何とかというのか、特に何事もなく無事に帰って来られました。
今撮ってきた写真をQVGAサイズに変換して、後は縦のままになった写真を横回転させてこのサイト内にアップさせるつもりです。ブレたり意図がわからない雰囲気な写真も散見されますが(苦笑)。
アルバム使えば早いんでしょうが、アルバムは非公開設定にしているのと、ちょっとした解説を入れたいのもあるので、こっちのほうがいいのかなと。
感想なんですが、まぁ正直ここまでひどくなるとは思ってもいませんでした。
朝早くから双方の支持者が集まってきたり、聖火リレーが始まる前から双方で小競り合いを起こしているといった具合。
一応機動隊(警察)が周辺に非常線を張って隔離していたものの、その非常線をかいくぐって五星紅旗やチベット旗を持った人が挑発しにかかるということを繰り返す有様。
で、今回は今まで見ている抗議活動とは若干違うものをマスコミは伝えているのかということ。
もしかしたら他の都市での抗議活動でもあったのかもしれないですが、かなり異質なものでした。
まずはチベット支持派。
映像ではあまり出てこなかったのかもしれませんが、実はチベット旗よりも以下に揚げる旗のほうが多かった気がします。
・東トルキスタン旗(青地に白の三日月と星の付いた旗)
大まかに言うとウイグル族の旗。
新彊(『シンチャン』もしくは『しんきょう』)ウイグル自治区で主に出てくる旗で、もちろん中国政府は掲揚を禁止している旗でもあります。彼ら自身は自らの地域を東トルキスタンと呼んでいる場合もあります(というのも彼らがトルコ系の民族だからというのもあります)。
この地域もチベットと同じく独立運動が盛ん。
しかし漢民族の流入がチベットよりも多く、人口の過半数近くが漢民族とされています。
この旗が一番多く目立っていました。
・旧南ベトナム国旗
1975年のベトナム戦争終了(統一されたのは1976年)まで掲げられていた黄色地に中央に赤い線が3本引かれた国旗。
これは欽ちゃんこと萩本欽一さんが走行中に起こったアクシデントの時に少し写っていたので、気になった人もいるでしょう。
私自身も見たことがなかったので、実際持っていた人に問うたくらいです。
今回の騒動の中で一番関係ない旗がここまで掲げられているのが一番不思議でならなかったです。
というのも、南ベトナムは元々は親米国家。北ベトナム(今のベトナム社会主義共和国のこと)が結局統一して今日に至るわけですが、そのベトナムも今でこそ友好ムードを保っているものの、80年代は中越戦争(1979年)まで起こしたほどの不仲な国家関係だったほど。
いくらベトナム戦争で中国が北ベトナムを支援していたとはいえ、今回のチベットの話とは無関係。一部南ベトナムはアメリカの傀儡(かいらい)だ、北に解放されてよかったという人は、実際南に住んでいた人にもいるのにです(あくまで日本で習った歴史観ですが)。
恐らく南消滅時に亡命した人たちなんでしょうけど・・・。
これ以外にも、ミャンマー民主党旗・旧ミャンマー国旗かカレン族の旗と思しき旗も確認しています。いずれも今回のこととは全く関係していない、中国が外交での関与があるというレベルで、ミャンマーの民族問題や民主化問題は中国の責任であるという論点のすり替えのようにも感じられました。
これらに関しては、これでは支持するにも支持できないと思えてなりません。
そして一番気になったのが旭日旗。言わずもがな旧日本軍の旗、右翼の象徴ともいえる旗です。
今回のチベット支持派には一部右翼が混じっており、抗議活動を暴力的な方向に煽動させている節が散見されています。
そうでなくとも、彼らは支那(シナ)人やチャンコロといった中国人への蔑称を平気で連呼しており、国境なき記者団の主旨と全く異とした行動をとっていたように思えます。
逆に中国人達の中にも知ってか知らずか右翼の人間を挑発する節が見られました。特に頻繁に♪義勇軍行進(事実上の中国国歌)を歌っていました。
確かに彼らにとっては国歌なのかもしれませんが、チベット支持派や右翼にとっては屈辱的なものでしかないということを彼らはわかっているのでしょうか?
あと、少し話をしてみましたが、彼らはなぜこうなってるのかを全く理解していないように感じ取れました。
いずれのことから垣間見て、とても今回の聖火リレーは平和の祭典ではなく、いろいろな政治問題が入り混じったものになってしまいました。
一つは、これは平和の祭典ではなく、政治的なアピールになってしまった感があること。特に中国人の大量流入は少なくとも日本国内の行事ではない感がありました。
どうも中国政府の後押しもあったらしいのですが、それでも自主的に集まってかつ五星紅旗を何のためらいもなく掲げられているのは非常に気になるところです。
もう一つは、この抗議活動は、明らかにチベット問題は単なる国内問題ではないということ。そして、関係ない事象も現れたとはいえ、チベットや中国で起こっている問題は明らかな国際問題であるということ。それを中国サイドはわかっているのかというのが気になります。
最後に、双方が過剰なナショナリズムに駆り立てられているということです。
報道の中には、一見チベット支持派が起こしたゴタゴタのように見られますが、一部の小競り合いはそれを隠れ蓑にした右翼のナショナリズム運動であることを見逃してはいけないわけです。
そしてその過剰な運動に呼応して相手側の一部にも過剰な動きが見られ非常に残念でした。
これを見て、行き過ぎたナショナリズムは自らの身を滅ぼしかねないという思いが頭の中を駆け巡って離れませんでした。
そしてあまりの行き過ぎたナショナリズムに怒りさえこみ上げてきました。
実は聖火リレーが過ぎた長野駅前では大きな騒動が起こり、ペットボトルが投げられたり、互いの支持者が相手陣営に突撃したりするシーンがありました。
特にペットボトルが飛んだ時には、「ペットボトルを投げるな!(Don't throw a petbottle!)」と叫んだほどです。
もう一度言います。
行き過ぎたナショナリズムは自らの身を滅ぼすことを忘れないで下さい。人を破滅に向かわせるのは、行き過ぎたナショナリズムそのものです。
最後に、一部記事がダブったのを消す時に、間違えてコメントのあるほうを消したと思われます。
意図的なものではないことをここで訴えたいのと、謝って消してしまったことを大変申し訳ないと深くお詫び致します。