総務省のモバイルビジネス研究会が9/18に携帯史上活性化のための最終報告書を出したそうで、いわゆる「1円ケータイ」(地域によっては「0円ケータイ」)のような格安価格で販売するためのモデルを見直し、端末価格と通信価格を明確に区分できるモデルを2008年度をメドに部分導入するよう求めたそうです。
ところで、「1円ケータイ」になるモデルは、販売報奨金(インセンティブ)制度で成り立ってるといえるもので、詳しく話すと以下のようになります。
まず、携帯端末をキャリア(携帯販売会社)から購入します。その時の仕入れ値が、高い機種で7・8万ほど、安い機種(たいていは型落ちモデル)で大体3万~5万(もっと安い場合もある)と言われています。
今回「1円ケータイ」になるのは後者の安い機種になります。
機種が売れることで発生するインセンティブと、機種キャンペーンによる割引を付けること(これを付けることでもインセンティブが発生する)で仕入れ値の穴埋めをしていき、最終的に1円になっていくのです。
では、そこでキャリアが払ったインセンティブはどうなるのか?
答えは簡単。
消費者(買った側)が少しずつ払っていくというふう。実態にはその費用は見えないが、通話料や事務手数料などの中に内包されているのが実態ではないかなと思っています。
しかしながら、最近では最初に0円で販売して、分割で払わせる方式もあります(例としてソフトバンクのスーパーボーナスやウィルコムのW-Value Select)が、この方式は非常にオトク感を感じにくく、かつインセンティブによる販売方式よりも複雑かつ不明瞭だと思います。
今回の決定はキャリア側に強制力はないとはいえ、一部端末(恐らく売れ筋の端末や最新端末)には新制度が付き、実質かなりの高値で推移する端末が出てくるかもしれません。
私自身が思うに、この新しい制度が行われれば、なかなか値が下がらないため、買い控えが進むのではないのかと思います。
というのも、経験上、結局ケータイを買う人のほぼ半数が安価の機種を求めるケースが多いからです。
買う必要性のほとんどが、古くなって電池の持ちが悪くなってきた。
もしくは新しい付加機能が欲しい(昔はカメラ機能が欲しいだったが、今は恐らくワンセグや高機能カメラ機能、もしくは外部メモリが欲しいという類だろう)という理由だと思います。
もしその求めていたもの(この場合ケータイ)が高ければいらない、もしくは安い他の商材で補うという方向に逃げられてしまいかねないからです。
今までは安くて高機能だから買ったという人もいるので、そういう人もこの新制度で逃げ出す可能性も考えられます。
また、これも私自身が思うことなんですが、長いこと持つのが損であると思うのならば、特に機種変更の場合、キャリアが設定した利用期間マックスで機種変更を繰り返せば、最も安価な値段で機種が買えるので、下手に長く持つ必要なく変えられます。
もう一つ、この現行の制度のままでいいのは、既に多くの報道で現行制度が知らしめられたので、いつどのタイミングで変えればいいのかがわかりきってしまったということです。
つい先ほど書きましたが、安く買いたいのなら利用期間マックスを狙う。
契約の絡みがあるのなら、契約の更新月にMNPをするか解約新規を施すかで、事務手数料のみで乗り換えるもしくは買い換えることだってできます。
総務省が提唱した制度は三すくみでどこにも儲けが起こらないか、下手をすれば、儲けが出るのはキャリアだけという事態に陥りかねません。
現行制度は確かに不透明ですが、からくりがわかればこれほどわかりやすい制度はないです。いくら払っているのかだけわかるようになれば、現行のインセンティブ制度こそが最も効率よく携帯の消費サイクルを上手く回せる制度だと思います。
ただ、これからキャリアなどが示すだろう代替案次第にはなりますが・・・。