先週末から業界を揺るがす出来事が多く発生しています。
特に驚かされた出来事を書いていこうかと思います。
三菱電機製造のNTTドコモ(以下ドコモ) FOMA D902iの電池パックが長時間利用することで膨張・破裂する恐れがあるという話題が上り、問題になりました。
三菱電機側は不良はごくわずかだと会見で話していますが、D902iで使われている電池パックは、それ以降に出たD902iS・D903iにも流用できるため、実際出た数は相当数だと思われます。
この電池、いわゆる充電池といわれるもので、リチウムイオン電池という種類になりますが、元々は負極板に保護(絶縁シート)がされており、普通はそのようなことは起こらないのですが、どうも負極板と保護したものが製造工程の不具合で破損し、負極板が曲がった状態で製造され、それが保護したものを破損させたというのが膨張の原因のまず第1点。
そこに落下等の外部からの衝撃がきっかけで過熱状態になり、保護が破損したというのが膨張の原因の第2点。
現状では不具合の可能性が報告された2006年4月以降、製造工程に変更を加え現在は起こらないようにしているとのこと。
今回の不具合騒動、実は製造元の三菱電機ではなく、製造委託していた三洋電機の子会社が起こしていたとのこと。つまり、今回三菱電機も被害者になったというわけです(ただ、ほったらかしにした責任は大きいのですが)。
三洋電機は携帯電話を主にau(最近ごくわずかではあるがドコモにも)製造、充電池に関してはドコモでも相当数のメーカーに対して委託製造していますが、他の製品には影響はないとのコメント。
しかし、過去にもauのW32SAで大規模な回収騒ぎが起こっているだけに、このコメントにも今ひとつ信憑性が持てません。
この出来事で、損害賠償によって三洋電機グループの収益に大きな影響を与えるだけでなく、社会的信頼という面でもしばらくは大きなダメージとなるかもしれません。被害的にはスポット的なものかもしれませんが、現状三洋電機グループが少々危機的な状況下に置かれていることを鑑みて、経営面や上層部への風当たりもさらに厳しくなるのではと思われます。
なお、このようなふうになっても、消費者(ユーザー)は冷静であってほしいと思います。
よく、こういう話題が出ると、買ったお店にクレーム(難癖)をつけてくる方がいますが、はっきり言って販売側も寝耳に水です。それこそ被害者の立場に立たされるわけです。
あくまで販売側は大丈夫と思って販売しています。回収になった場合、率先して回収し、公開できる情報は出しています。
そのため、今回の情報が回ってくる前は、膨張が何なのかわからないことが多く、異常過熱の場合、使用を控えるしか方法がないわけです。
しかし、何も知らずに再度購入に至った場合、消費者に対しメーカー側は購入代の補償をするべきではないのかとも思います。特に今回のケースは既に報告が上がり、製造工程の改善まで行っているわけですから、隠蔽しているとも思われかねないわけです。
あくまで販売店は報告元でしかないことを覚えておいていただきたいわけです。メーカー側・もしくはキャリアサイトに訴えるしかないのですが、その時でも、あくまで報告元になる可能性を考え、冷静に言ってもらいたいものです。